第231幕
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「海、タレついてる」
『ん?』
「タレついてるっての」
イカ焼きにかぶりついていると頬をむにっと引っ張られた。
「まったく……どんだけ食べるんだよお前は」
『んふふふふ』
「食い終わってから言えよ。つか、なに?まだ食うつもりなの?お前の胃袋マジでどうなってんの?」
持たされている袋を見て銀時は口元を引き攣らせながら苦笑を漏らす。
『動いてたからお腹すいたんだよ。見回りが終わったら飯食いに行くとこだったし』
「お腹すいてればそりゃどれも美味しそうに見えるけどよ……いくらなんでもこれは買いすぎじゃねぇか?」
銀時の手にあるのは屋台で買った食べ物。焼きそばやたこ焼き、焼き鳥にベビーカステラ。適当に買っては袋に入れてもらったので、もはや何を買ったか把握しきれていない。
『帰ったら神楽と新八たちがいるだろ。それ全部持って帰っていいから』
「え、これお前が食うんじゃねぇの?」
『別のもの食べるからいい』
「うん?銀さんの銀さん食べる?」
『串刺すぞ』
食べ終えたイカ焼きの串を銀時の目元へと突きつける。瞬時に身を引いた銀時はさーっと顔を青くさせてひたすら謝っていた。
「何食うの?」
『クレープ食べたい』
「おっ、いいねぇ。疲れてる時は甘いものにかぎる」
わくわくしながら銀時はクレープの屋台へと向かう。いつも家でゴロゴロしてるヤツが疲れることなんてあるのか。
「海、何にする?」
『イチゴかバナナか……』
「俺的には海はバナナの方が……グフッ!」
『おっさん、イチゴとバナナ一つずつくれ』
銀時の鳩尾を殴って黙らせ、店員に声をかける。店員は殴られた銀時を哀れそうに見てからクレープを作り始めた。
「海くん……愛が……重い……」
『うるせぇ。変なことばっか言ってんのが悪いんだろうが』
「愛は否定しねぇのかよ」
『……されたいのか?』
「いいえ!!どんな愛でも受け止めます!」
『叫ぶな、やかましい』
「なになに照れてるの?かーわい」
ニヤニヤ笑いながら頬を突く銀時をキッと睨んで右足を振り上げる。
店員がクレープを作り終えた頃、銀時は鼻血を出して地面に倒れ伏していた。
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