第231幕
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『祭りなんて久しぶりにくるな』
今日は近所で行われている祭りの見回りに来ていた。いつもなら隣に土方がいるのだが、今は一人で見回っている。
ここ数日の間、土方とは口をきいてない。顔を合わせるのも極力避け、必要最低限の会話だけしている。
本人も気づいているようだが、聞いてくることはないのでそのままにしていた。仕事に支障はでていないから暫くはこのままにしておくつもりだ。
『なんか腹たってきたな』
「え、なに?まだなんかやってんの?」
土方との会話を思い出して一人でイライラしていると、背後から聞きなれた声が聞こえた。
『銀時?』
「腹大丈夫なのかよ」
『とりあえずは。痛みは無くなったから』
「そ。痛みがないからって無理しないよーにな」
『別に無理なんか……あー、いや、うん。気をつける』
無理なんかしてないから気にするな。普段ならそう言うのだがその言葉を飲み込んだ。
銀時は目を丸くして海を見つめる。何度も目を擦り、耳の穴をほじっては「あー」と声を出して何かを確認していた。
「……海くん?あの……本当に海くん?」
『なんだよ』
「なんでそんな素直なの?いつもなら"うるせぇ"とか"気にすんな"とかって言うのに」
『たまにはいいだろ。今回は無理してた自覚はある。それでお前に迷惑というか心配を……かけたから』
「それは別にいいけど……なんで急に……あ?あー……そういうことか」
『そういうこと?』
「なんでもない。それよりお前仕事は?」
『見回り中。そろそろ帰ろうかと思ってたとこ』
「この後暇なの?」
『暇ってわけじゃねぇけど……時間はある』
書類は全部終わらせてから見回りに来たから帰ってからやる仕事は無い。そう伝えると銀時はニンマリと笑った。
「ならお祭りデートしねぇ?」
『デー……ト?』
「そ。暫く二人で出かけてなかったろ?お前も忙しかったしよ」
『それはそうだけど……』
「デートすんの嫌だ?」
『嫌じゃない。けど、俺今隊服だし』
「その格好でも大丈夫だろ。ゴリラも隊服のままでお妙のストーカーしてんだからよ」
『あ、ならいいわ』
隊服のままで遊ぶというのはちょっと気が引けたが、上司がやっているのなら別に構う必要はない。
ただ、デートするのであれば隊服じゃなくて別の服装が良かったな、と周りの恋人たちを見て思ってしまった。
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