第204幕
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「銀さん!どうするんですか!?海さんと信女さん行っちゃいましたよ!?」
「いいんじゃねぇの?どうせこうなる事は分かりきってただろ」
海と信女の後を追って神楽と月詠も身を乗り出していった。この場に残っているのは新八と銀時だけ。
出来ればここに海が残って欲しかったが、あの状態の海であれば逆に良かったかもしれない。
"幕府の崩壊"
「なんでそんなこと望むのかねぇ」
襲いかかってくる兵士たちを木刀で一人一人倒していきながら海の言葉を思い出す。あの時見た海の笑みはどことなく高杉に似ていた。
海は桂や高杉が望んでいるようなことはしないと思っていたのだが、それは銀時の思い違いだったのか。それとも海がそう思ってしまようなことがあって、高杉たちと同じ思想を持っているのか。
真選組に入ったことで知りたくない事実を知ったと言った海はとても苦しそうな表情をしていた。幕府と繋がりを持ったことで海が何を知ったのかは銀時にはわからない。海は何も話してはくれないから。
「また一人で無理してんのかよ」
話してくれたなら力になれる。でも、本人が打ち明けてくれなければ何もしてあげられない。その歯がゆさに銀時は木刀を持つ手に力を込めた。これが終わったら海とちゃんと話をしよう。一人で抱えることはないのだと伝えねば。
「新八ィ!」
「なんですか!!」
「とっとと終わらせて家に帰るぞ!」
「急になんですか!?」
「やることが出来たんだよ。こんなことよりもっと大事なことが」
「それって海さんの……」
「あのバカが変なことする前に終わらせるぞ」
「はい!!」
その為には周りの兵士たちを蹴散らすしかない。
「へばるんじゃねぇぞ!新八!!」
後ろで戦っている新八に声をかけ、銀時は少しずつ海の方へと近づいていく。
倒しても倒してわらわらと出てくる兵士たちはまるで夏に出てくる黒光りした虫のよう。どこからこんなに出てきているのか。
「ったく、キリがねぇ」
舌打ちを漏らす銀時に新八も汗の滲む額を手で拭いながら頷く。単独で兵士たちを倒すよりも固まって相手をした方がいいだろう。
散り散りになった仲間を集めるべく銀時は新八を連れて走る。その道にはいくつもの死体が転がっていて、冷や汗か垂れた。
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