第230幕
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「貴方はとても優しい人です。だからこそ傷つきやすい。そんな貴方をその昔馴染みの方は守りたいんだと思いますよ」
『守る……?』
「ええ。弱いからという意味ではなく、大切だから守りたい。壊れてしまわないように大事にしたいんです」
海には守るものが多いから。その分沢山傷ついてしまう。そんな海がへし折れてしまわないように。
『俺は銀に……』
「天はあなたの事をいつも見守っておられます。ですが、神は人に試練を与えるでしょう。それ故に人は助け合って生きていくのです」
ここが懺悔室だと言うことを忘れて、銀時は自分が伝えたいことを言いまくってしまった。疑われることのないようにと何となくそれなりの言葉を付け足してみた。
「大丈夫ですか?」
『多分』
まだ悩んでいる感じだが、ここに来た時よりかは幾分か気分が良さそうに見える。
『それより、あんたどっかで会ったことないか?』
「へ?」
『知り合いに声が似てるんだよ』
「ま、まさか!私はただの懺悔室の管理人ですよ!」
『そうか。ならいいけど』
アホの子で良かった。本当にアホの子で良かった。
「あれ?副長補佐?」
『山崎?』
海の相談が終わったかと思えば、今度は別の人間が懺悔室へと入ってきた。そいつは以前、たまと見合いをした男。
「補佐も懺悔したいことがあるんですか?」
『いや、相談』
「相談?珍しいですね、補佐が誰かに相談するなんて」
『俺だってたまには誰かに話を聞いてもらいたい時くらいある』
海の意識は完全に山崎の方に向けられてしまい、銀時のことは忘れ去られている。懺悔室だというのに山崎と海は二人で話し込み始めた。
『山崎こそなんでここに?』
「実はたまさんが屯所前にプリンを置いていったんです。俺それ食べちゃって……」
『プリン?』
「はい。それを懺悔しに来たんです」
そんなしょうもない懺悔聞きたくもない。そもそもたまには将軍の処理を任せたはずだというのになんでプリンなんか置いていったんだ。
山崎の話に銀時は頭を抱える。懺悔室の管理人なんて放り出して今は自分が懺悔したい気分になった。
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