第229幕
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「ありがとうございます!!これであの子は……娘はきっとうかばれます!」
「ありがとう……ありがとう……!」
こんなの狂ってる。いくら悪人だったとはいえ、親の首を斬った子供に感謝するなんて。
何度も頭を下げる人達に海は無表情で受け止めていた。
今すぐにでもこの場を離れたくて銀時は海の腕を引っ張ったがビクともしない。
「海!」
声をかけても海はその場から動こうとせず、ただ黙って彼らのことを見ていた。
一人、二人と処刑場から人が去っていくのを見送る。最後に役人たちが海に頭を下げて撤収したあと、漸く海が銀時の方を振り返った。
『ここで何してるんだよ』
「それを聞きたいのは俺の方なんですけど?お前こそこんなところで何やってんだよ」
『西ノ宮の首斬ってた』
「素直でいい子……なんて言うとでも思ったかバカ」
『なんで怒られなきゃなんねぇんだよ』
「俺は何も聞かされてないんだけど?」
『言うことでもないだろ』
「はぁ!?相談するとかあるだろうが!」
『何を相談するんだよ』
「それは……お前……」
『別に心配されるようなことはない。ただ首を斬るだけだろ』
口では大丈夫だと言い張っているが、明らかに疲れた顔をしていて、無理をしているようにしか見えなかった。
「海、とりあえずここから離れるぞ」
『ん、』
こんなところにいつまでもいたくない。それは海も同じ気持ちらしく、文句を言うことなくついてくる。
それでも銀時は海の手を離すことが出来なかった。ちゃんとついてくると分かっていても。この手を離してしまったらふらりとどこかへ行ってしまいそうな気がして。
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