第228幕
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「囚人番号、み32654番。出ろ」
がちゃりと牢の鍵が開けられる。そこには最近よく見るようになった栗頭の姿があった。
「てめーらもだ。待たせたな。処刑の時間だ」
そう言って沖田は銀時たちを車へと乗せた。
手錠を掛けられて車に揺られる。なんでこうなってしまったんだと頭を抱えたが、思い当たる節しか出てこなくて詰んだ。
「沖田さん。どういうことですかコレ」
「まさかあんなことしでかしといて無事に済むとでも?お前らも朝右衛門も」
「えっ」
自分らだけならまだしも朝右衛門も罪に問われているらしい。顔を上げて驚く銀時たちに沖田は事件の顛末を語る。
「今回の事件はどれも立件が難しくてね……。まず辻斬りの件は被害者がもともと斬首されるはずだった罪人たちであったことがややこしい。これを裁けんのかって話でさぁ。何より肝心の下手人、池田夜右衛門があれから行方不明でね。それも含めて今回の件、一橋が裏で糸引いてたのは明白だが、罪を問うにもヤツらは表向き何ら手を汚してねぇ。下手につつきゃ逆に俺たちの責任を問われかねねぇ」
大元の人間は分かっているのに手出しができない歯がゆさに沖田は表情を歪める。
沖田が真面目に仕事をしている姿なんて見たことない。いつもマヨラーをからかって遊んでいるか、神楽にちょっかい出しているかだ。そんな彼がここまで機嫌の悪さを表に出すとは。
海が言っていた"根は良い子"は本当の事だったらしい。
「海はどうしたんだよ」
「あれから見てませんけど、ちゃんと戻ってきてるんですよね?」
銀時は朝右衛門の肩を借りて船から脱出した。新八と神楽も共に出てきたのだが、海だけはやることがあると言って船に残っていたらしい。海のことだから心配は要らないだろうけど、こうして顔が見えないと少しばかり不安に思ってしまう。
「海さんは……別件で忙しいんです」
「別件?まだなんかあんのかよ」
沖田は俯いて歯切れ悪く呟く。その姿に違和感を感じて深く聞こうとしたが、答えが返ってくることは無かった。
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