第226幕
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『銀時、お前は一体何してるんだよ』
「知らねぇよ。あれよあれよと話が進んでこのザマだ」
桶の中でふんぞり返っている銀時。
『"池田 夜右衛門"の名を聞いたのならピンと来ただろ。なんでその時に依頼を断らなかったんだ』
「それはその……色々とな」
『恩を返すなら別の方法でして欲しいんだが?』
「べ、別にそんなこと考えちゃいねぇよ!」
ふいっと顔を背けて銀時はブツブツと文句を漏らす。その横で朝右衛門は不思議そうに海と銀時を交互に見ていた。
『池田 朝右衛門だな?』
「は……はい」
『処刑された下手人にしては元気そうだけど』
きょとんとしている彼女に海はふっと笑みを零す。この子も銀時に振り回されて大変だっただろう。
「海、そうやって誑かさないの」
『どっからそんな言葉が出てくんだよ』
「今やってるじゃねぇか。誰彼構わずそんな顔見せるなよ」
『……笑うなと言われたのは初めてなんだが』
「そうじゃなくて!そういう色気のある笑い方をするなって言ってんの!」
色気のある笑い方とはなんだ。普通に笑っただけなのになんでそんな風に見られているのか。
『普通だろ』
「普通じゃありません!!お前もそう思うよな!?」
「えっ?いや、普通に優しい笑い方じゃ……」
「ほら!!普通じゃねえって言ってるじゃん!」
『お前の頭が普通じゃねぇよ』
朝右衛門は戸惑いながらも普通だと言ったのに銀時はその言葉を捻じ曲げてキレる。こいつは一度頭の手術を受けた方がいいのではないだろうか。
まともな人間の脳みそと交換するくらいの手術を。
「海さん」
総悟に呼ばれ、海は銀時から部屋の入口の方へと目を向ける。
『騒ぎすぎたか』
「どうします?土方さんは死体とおねんねしてますよ」
『放っておけ。暫くは動けないだろ』
「だらしない上司で困りますぜ」
『それは同感』
桶の中で気を失っている土方にため息を零し、海は聞こえてくる足音に集中した。
『近藤さんに許可って取ってあるのか?』
「ないです。ほぼ独断なので」
『じゃあ斬れないか。めんどくせぇ』
斬り殺せれば楽に終わるのだが、近藤に話を通していないのであればそれは出来ない。相手は一橋の者だ。下手に手を出せば揚げ足を取られて失脚する可能性だってある。近藤の首を守るためにはここは穏便に済ませるしかない。
『組織ってのはしがらみばっかで窮屈だな』
「そんなもんですよ。我慢してくだせぇ」
『なんかお前には言われたくないなそれ』
いつも何かあればバズーカ撃ってるくせに。
ジト目で総悟を見やると彼は素知らぬ顔で鼻歌。いつも誰が尻拭いをしてると思ってるんだこの糞ガキ。
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