第226幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「海、総悟、調べろ」
ずらりと並んでいる桶。その中にいるのは辻斬りによって死んでいった者たち。だが、その中で唯一生きている人間の気配がする。その桶の前へと行くと、中からガタガタと物音が聞こえた。
『……おい』
「ま、待ってください!!それは死体ですよ!!」
慌てた様子で新八が桶元へと駆け寄ってきてこれ以上見られないようにと盾になった。
「お願いです!海さん、見逃してください」
『無理だと言ったはずだ。今回は見逃せない』
遺体を調べている総悟と土方に聞かれぬように新八は小声で頼んできたが、海は無情にも首を横に振るだけだった。
「海さん!!」
『ダメなものはダメだ。それに……』
早くここから逃げ出さないと周りに置いてある桶の中身と同じようになる。
カタカタ動く桶の蓋をコンコンと軽く叩く。その瞬間、ピタリと動きを止めて内側から恐る恐るといったふうに音が返ってきた。
『銀、今回はどうにも出来ない。だから、』
助けて欲しいと呟こうとした海の前に銀時の頭が飛びてできた。
桶を突き破って出てきた頭を呆然と見つめている海の前で新八と神楽は頭を引っ込めようと膝蹴りを繰り返す。
「おい、海!!それ調べろ!」
「なんですか土方さん。いつも言ってるじゃありやせんか、海さん使いっ走りにするのはやめてくださいって」
「使いっ走りじゃねぇよ!!これは仕事だろうが!!」
「やだやだ。そう言って海さんにナニさせるつもりですか」
「ナニってナニ!?俺が聞きたいんだけど!?」
ガツガツ蹴られている銀時の頭を見つめながら、総悟と土方のやり取りを聞き流す。
『わかった。わかったから。お前らもういい加減黙れ』
全員の頭に海の拳が落ちるまで残り十秒。
.