第224幕
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あれから数日経って、海の周りはガラリと変わってしまった。
"俺、自分探しの旅に出るわ"
そう言って銀時はふらりとかぶき町から消えた。その後を追うようにして神楽も定春(馬)を連れてどこかへと行ってしまったし、二人が居なくなったことで新八も自分を見つめ直すのだと道場に籠るようになった。
変わったのは万事屋だけではない。海が所属していた真選組も新たな仕事を見つけて動いている。
「兄さん!僕、昨日指名されたんだ!」
『お前フロアに出たのか』
「うん。近藤さんが出てもいいんじゃないかって。それで、お姉さんたちが話し相手になってくれたんだ」
真選組はかぶき町で"ミニスカポリス"というクラブを始めた。最初こそは隊士たちも戸惑っていたが、段々と慣れてきたのか……それとも全てを諦めたのか、仕事が板に付いてきたとのこと。一番似合わなさそうな土方が率先して仕事をしていると聞いた時は飲んでいた茶を吹き出しそうになったが。
「兄さんは店に来ないの?」
『俺が行ったらただの客みたいになるだろ。それにここを置いていくわけにはいかない』
「そっか……」
今、屯所には海しかいない。それでも真選組の方に来る仕事が無くなる訳もなく、全て海が一人でこなしている状態だ。
「僕もこっちに残ろうか?」
『いや、お前らは外にいてくれ。書類も見回りもってなると流石に俺もしんどいから』
海がここに残った代わりに外の見回りは近藤たちが担っている。ふざけた店を始めたかと思ったが、彼らは本来の仕事を忘れてはいなかった。
「無理はしないでね。兄さん、一人になるとすぐ無理するから」
『しねぇよ。それよりもう戻った方がいいんじゃないか?』
朔夜が屯所に来てから数時間経っている。休憩をもらったから来たと本人は言っていたが、長く店を空けているのは良くないだろう。
「大丈夫だよ。だって、土方さんが兄さんのこと心配だから見に行けって言ったんだし。ちょっとくらい居なくても……」
『だとしても、お前は店員だろ。ここにいる間にお前を指名してる客が来たらどうするんだ?』
「あ……うーん……」
『俺のことはいいからもう戻れ。何かあったら携帯に連絡するから』
「……わかった。あっちの仕事終わったら連絡するから!」
『はいはい』
屯所の門前まで朔夜を見送り、海は軽く一息つく。
『……それで?お前は自分探しの旅に出てたんじゃないのか?』
屯所の中にひっそりと忍び込んでいた者に声をかけると、そいつは草むらから頭を出した。
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