第176幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『ってことらしいんだが』
「それで海が引っ張りだされたってわけ?つうかなに?海の所不用心すぎない?」
『後で警戒レベル上げとく』
「いや、多分そういう話じゃないと思うけど」
エリザベスの目撃情報を集めている海と桂に声をかけてきた銀時。何をしているのかと不思議そうにしていた銀時に、エリザベスが行方不明になったらしいと話したら面倒くさそうな顔を浮かべた。
そんなもんヅラに探させればいい、と言い放った銀時に桂は泣きついて一緒に探してくれと懇願。町中で騒ぐ桂に海が一喝して収め、一同はレストランへと入った。
いちごパフェをつつく銀時を横目に海はミルクティーを口にした。
「ほら、あーん」
『は?』
ずい、と出されたのは苺の乗ったスプーン。口元へと近づけられたスプーンを怪訝そうに見たあと、小さく口を開けてスプーンをくわえた。
「美味い?」
『甘い』
「そりゃパフェだからな」
このくだりいつだったかやった記憶がある。アレは団子屋のおじさんがいた時だったか。そんなことを思い出していた海の隣で桂が「バカップルが!!」と吠えていた。
『で?喧嘩の原因はなんだ?何かしたのか?』
「喧嘩などしていない!俺たちの間に仲違いするような原因はなかった!エリザベスを最後に見た時だって……」
そこで口ごもる桂に海はわざとらしくため息をつく。
『こんな感じなんだよ。屯所で話を聞いた時も記憶がハッキリしてない。こんなんじゃ探しようがないだろ』
「え、この人真選組に顔出したんですか!?」
『出した。しかも下手な変装で』
「よく捕まりませんでしたね……」
新八の言葉に海は渋い顔をした。その反応に新八がえ?と疑問符を浮かべたが、銀時に「深く聞くな」と言われてそれ以上海に聞くことはなかった。
「このプラカードに小さく日付が書いてありますけど……少なくともこの日までは一緒にいたってことでしょ?」
エリザベスが意思表示に使っていた白い看板。捜さないで下さいと書かれた看板の下には小さく"11月1日"と書かれてある。それを見た銀時はうん?と首を傾げた。
「あれ?今日何日だっけ?」
『10月31日。まだ11月には入ってない』
「昨日ならわかるけど、なんで明日の日付が?」
未来から来たのでは?と楽しげに言う神楽の言葉を右から左へと受け流し、海は銀時が食べていたパフェへとスプーンを伸ばす。
「ん?食べるか?」
『桂の記憶があやふやすぎて考えるのめんどくさくなった』
「そ?」
あれだけ一緒にいたペットが一年も前にいなくなったというのに桂は気づかなかったのか。あまりにもバカバカしい話に海は聞くのもめんどくさくなっていた。
『でも桂がねぇ?』
口内に広がる生クリームの甘さを堪能しながらボソリと呟く。友人なのだとエリザベスを自慢していた桂が本当にエリザベスが居なくなったことに気づかなかったのか。
それとも"気づけなかった"のか。
「海?」
くわえたスプーンを上下に振っていると、銀時にスプーンで遊ぶなと注意される。
「そんなことしちゃいけません」
『なんだよ。これくらいで怒んなよ』
「ダメなもんはダメです!くわえるなら違うものくわえなさい!」
『……は?』
「銀さんまだ昼間です」
「銀ちゃんの汚物くわえるよりスプーンくわえてた方がまだマシアル」
意味のわかってない海に変わって新八と神楽が冷めた目付きで銀時を睨んだ。
海の隣に座る桂も銀時を責めるように見つめていた。
「本人じゃなくてなんでお前らからそんな目で見られなくちゃいけないわけ!?」
「変態」
「ド変態アル」
「いくら仲睦まじい恋仲だったとしてもその発言は如何なものかと思うぞ、銀時」
三人に責め立てられた銀時はガクリと項垂れた。
.