第183幕
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『なんでこうなるかな』
せっかく作ったかまくらは銀時と神楽によって壊されて天井にぽっかりと穴があいた。
初めて作ったと喜んでいた朔夜も悲しそうに俯い……てはおらず、憎しみを込めた目で銀時を睨んでいた。
「坂田さん、ちょっとやりすぎなんじゃないんですか?」
「あ?なんだよ」
「やりすぎだって言ってるんです。皆で頑張って作ったのにそれを無駄にするなんて酷いじゃないですか。何考えてるんですか?それでも大人なんですか?こんな緊急事態なのにそんな子供でもやらないようなことして楽しいんですか?」
「え?え??なに?なんなの!?なんかすっげぇ文句言ってくるんだけど!?」
チクチクチクチクと朔夜に棘を刺されていく銀時は顔を青くさせながら海の背後へと回る。盾にされた海は頭に手をついてため息をこぼすことしか出来なかった。
『いい加減にしろよバカ共。銀時、お前やり方がガキ過ぎるんだよ』
「いやだって、」
『だってじゃねぇ。新八や神楽のことも考えろよ。いつまでもこんな雪山に放置なんかしてられないだろうが』
新八と神楽をちらりと見ると、心配気にこちらを見ていた。その顔色は普段よりも悪い。早く身体を温められる場所を見つけないと低体温症になってしまう。
『もう変なことすんなよ?』
「は、はい」
「あっ、ねぇ!兄さん!」
『なに?』
銀時に釘をさしてから朔夜の方へと目を向ける。崖ギリギリの所に立っている朔夜は何かを見つけて指をさしていた。
「あそこに何かあるよ!」
『朔夜、そこは危ないからこっち来い』
雪が崩れるかもしれないからこっちに戻れと声をかけたのだが、朔夜は海の言葉を気にも留めずに何かを指さし続けた。
「兄さん!ほら!」
『朔夜ッ!!』
「あっ、おい!海!!」
朔夜を連れ戻そうと近づいて行った時、朔夜の足元の雪が崩れた。足場をなくした朔夜はぐらりと身体が傾いていく。
必死に手を伸ばして朔夜の腕を掴んだが、崩れてしまった足場では踏ん張ることも出来ずに朔夜と共に崖下へと転がり落ちていった。
「海!!!!」
「兄さん!!」
『いいから!離れるな!』
銀時の声を聞きながらゴロゴロと坂を転がっていく。朔夜が怪我することのないようにと強く抱き締めた。
転がる勢いが緩やかになったかと思った矢先、ドンッと背中を何かに打ち付けた。そのおかげで止まることは出来たが、上から降ってきた雪に全身を覆い尽くされるし、少しでも身体を動かそうとすると背中には激痛が響いた。
『(これは……やばいかも)』
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