第179幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『なんだ?今の』
「さぁ?もう攻撃始まってんのか?」
バタバタと走るエリザベスたちの間をすり抜けるように歩いていた中、外から爆発が聞こえ、窓の方へと目を向ける。先には煙が舞っているのが見えた。
「おい、辰馬。おめぇ商人なんぞになって腕はなまっちゃいめえな?」
「さぁのう。わしゃ昔からおまんらと違うて平和主義者じゃきにの。頭は切れるが腕は保証できんのう」
「そうか。頭も腕も使い物にならなくなったか」
『それなら俺が辰馬守るから。銀時あと任せたわ』
「それはそれで不安が残るんだけど」
『なんでだよ』
刀が振れないというなら誰かが辰馬を守るしかない。銀時に任せてもいいが、きっと銀時と辰馬の事だから途中から喧嘩しそうである。それなら最初から自分が辰馬のフォローに回った方がいい。
それなのに銀時は海を見て眉間に皺を寄せた。
「お前、夢中になると周り見えなくなるタイプだから。敵薙ぎ払うのに夢中で辰馬死んでたらシャレになんねぇよ?」
『ぐッ……それは……』
「だからダメです。それにもうそんなこと言ってられるような状態じゃ無さそうだしね?」
銀時に言われて気づいたのは、自分たちを取り囲むように立つエリザベスたち。
『この数じゃちょっと難しいな。辰馬には腕の一本、足の一本犠牲になってもらうとするか』
「そんなんで済むの?頭なくなるんじゃね?」
「おまんらを先に殺してやろうか……」
『悪かったってそんな怒るなよ。ごめんな?』
怒気を含んだ声を発した辰馬に落ち着くように声をかけ落ち着くようにと辰馬の肩を数回叩く。
"そちらは総督府だ"
"何しに行く"
"閣下に伝令が"
"何!?スパイが見つかったのか?"
「いいや」
ばさりと投げ捨てたのは着ていたエリザベスの着ぐるみ。銀時と辰馬に背を預けるようにして立ち、腰から刀を抜いた。
「侍が……」
「てめぇらの星、侵略しに来ましたよって」
『無駄にカッコつけるところかそこ』
「いいの。海は黙ってて」
『はいはい』
男の子はいつでもかっこよくいたいの!と小声で呟いた銀時に海はやれやれと首を振る。
"貴様ら……あの時の!!"
"怪しい連中だとは思っていたが"
"まさか侍とは……!!"
"何故この宇宙の真ん中に貴様らがいる!?"
「おまんらどうやら調査が足りんかったようじゃの。地球の侍はまだ滅んじゃおらんぜよ」
「忘れちまったのか。てめぇら天人の天敵の名を。この剣一本で夷狄から……」
「国を……」
「友を……」
「魂を守らんと戦うたわしらん名を。攘夷志士、坂本辰馬」
「坂田銀時」
『…………』
そして桜樹 海、と続くであろうと思っていた二人はじとりと海を睨む。
『だって銀時に黙ってろって』
「海ィ!?そこは空気読んで!?俺の言ったことちゃんと守ってんのは偉いけど、今はそうじゃないからね!?」
「海音、これじゃ締まらんぜよ」
『締まるようにすればいいんだろ?』
なんでこんなにも文句言われなくちゃなんねぇんだと文句垂れながら海は一歩前へと足を踏み出し刀の切っ先をエリザベス達へと向けた。
『攘夷志士が一人、桜樹海。その軟弱な頭に叩き込んで後世に伝えるといい。この日、お前らの国の存続が危ぶまれたことを。侍によって危機に瀕したことを』
そこで言葉を区切り目を閉じる。一呼吸してから目を開いて目の前の敵を睨んだ。
『いざ尋常に』
「「参る!」」
銀時と辰馬の声を合図にエリザベスたちへと駆け出す。
刀を下段へと構え、立ち向かってくるエリザベスへと振り上げる。吹き飛んだエリザベスを驚いた顔で見る他の兵士たち。
『戦地での余所見は死に繋がるぞ?』
呆気に取られているエリザベスへと刀を振り、次々と薙ぎ払っていった。
.