第177幕
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「悪かったって。だからそんなに怒んなよ。そもそも止めろって言ってんのに聞かなかった海が悪いんだからな?」
『元を正せば辰馬が悪い』
「そうかもしれねぇけど、それに過剰に反応した海も悪い」
銀時にぶたれた海は頭にたんこぶが出来ていた。
たんこぶが出来るほど強くぶたれた事に驚き、怯えた顔で銀時を見た時は銀時も目をぱちくりさせて驚いていた。きっとそこまで力を込めたつもりはなかったのだろう。
『痛い』
「だから悪かったって。なんか冷やすもんでももらうか?」
『いらない』
「はぁ……あっそ」
拗ねまくっている海に最初こそは優しく声をかけていたが、段々と銀時も呆れてきて態度が冷たくなっていく。目を逸らす海に銀時はついに声をかけるのをやめた。
「いつまで喧嘩しちゅうか」
『別に喧嘩じゃねぇ。ちょっとびっくりして追いつかねぇだけ』
ウザったそうな顔を向ける陸奥に首を横に振った。
初めてあんなに強く叩かれた。何度も銀時とは殴り合いはした事はあった。こちらが本気で殴ろうとしても、銀時は決して本気で殴り返してくることは無かった。
『まさか……越された?』
辰馬の話を聞いている銀時の背をじっと睨むように見つめる。いつのまに抜かされてしまったのか。今までは自分の方が銀時より強かったはず。だからこそ守らねばと思っていたのに。
いつのまに弱くなったんだ。
『なんだよ。また修行でもしに行かねぇとダメか』
一人ボヤいていた海を銀時がひっそりと盗み見ていたなど知らず。
「今頃、地球はわしらが運び込んだ斥候たちのまいた種により、皆、エリザベス化し口もきけなくなっているはず。しかしそれはヤツらの計画の第一段階にすぎん。地球の情報網を鈍らせてヤツらは大挙して攻め込むつもりじゃ。それだけは阻止せねばならん。いや、各々胸に手を当ててみれば分かる通り。わしらにはその義務があろう」
「一緒にすんじゃねぇよ!ほぼお前らの責任じゃねぇか!」
銀時の言葉に海はちらりと陸奥を見た。話の殆どを来ていなかった為、何故エリザベス達が地球に入り込めたのかを知らない。陸奥達が関わっているのか、と目で問いかければ、申し訳なさそうに目を伏せた陸奥が「すまん」と一言小さく呟いた。
『やっちまったもんはしょうがねぇよ。やることはわかってんだろ?』
「うむ。その為におまんらの力を貸してくれ」
『わかった。このまま放置、ってわけにもいかねぇからな』
画面に映し出されているのはエリザベス化した街の人たち。自分は辰馬たちに助けられて難を逃れたが、地球には土方たちや朔夜がいる。もし彼らがエリザベス化していたら……。
『とりあえず土方と近藤さんの写真は撮っておきたいな』
暫くそのままでいて欲しい気もする。特に近藤さんは。騒がしいから。あぁ、でもあの人はプラカードになっても騒がしそうだ。
思い浮かべた近藤たちの姿に海はくすくす笑い、不思議そうに海の顔を覗き込んできた神楽に「なんでもない」と返した。
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