第201幕
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「どうでしたか、いっときとはいえ主役を味わった気分は」
「主役っつってもここの小説の主人公は海だからね。金時はあくまでも俺の代わりってだけであって、主人公の座は変わってな──」
『黙ってろ』
地面に肩まで埋められた金時は俯いたまま。その間に無駄口叩いている銀時は殴って黙らせた。
「なんだ元気そうじゃねぇか」
『源外のおっさんか』
たまの後ろから現れたのは源外。いつもの下品な笑い方をしながら海に向けて手を振っていた。
「ちょっと前は死にそうな顔してたのによ。今はもう大丈夫なのか?」
『一応は……?』
「何だその曖昧な返事は」
源外の言う通りで、前までは体調があまり良くなかった。徹夜続きのせいでフラフラしていたし、食事もそこそこで体力も落ちていた状態。ここ二、三日の間で随分と回復した。それはずっと銀時が海のそばにいてくれたからだ。
記憶のない海を見捨てずに見ていてくれたから。
「本当に大丈夫か、おめぇさん」
『だ、大丈夫』
「熱でもあんじゃねぇか?そんな真っ赤な顔してよ」
「え、なに?熱あんの?」
『ないから大丈夫だって。気にすんな。大体、俺の体調を気にしてここに来たわけじゃないだろうが』
皆が一気に海に集中するせいで益々海の顔は赤くなっていく。心配してくる銀時から顔を背け、ずっとほっとかれている金時の方へと目を向けた。
「なぜ記憶があるんだ」
やっと顔を上げた金時は恨めしそうに銀時を睨んだ。
「たまの修理ついでにな、おめえに対抗できる機能を乗せた」
「ヤツらが催眠爆発を受けてなお、記憶を保持していたのはそのためか」
「フン!ヤツらにゃんなもん必要ねえさ。金時、人の絆ってのはな記憶なんぞとはもっと別の深いところで繋がってるもんなのさ」
「たま、俺は一度そいつに始末をつけた。あとは任せるぜ。煮るなり焼くなり好きにしろ」
それだけ残して銀時はその場を去ろうとした。そんな銀時とすれ違うようにして新八と神楽はたまの前へと出ていく。
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