第201幕
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「海、もう大丈夫アルか?」
『大丈夫。全部思い出したから』
「それなら安心ネ」
神楽と新八にだいぶ心配をかけたらしく、二人は緊張した面持ちで屋上へと上がってきた。そんな二人を微笑みながら迎えると、安心した顔で海の元へと走りよってくる。
「本当に心配したんですからね!?もしこのまま海さんの記憶が戻らなかったらって!」
「海ならすぐ記憶戻るヨ」
「そんなこと言いながら神楽ちゃんだってさっきまで不安そうな顔してたじゃないか!」
「新八だって泣きそうな顔してたアル!!」
元気に言い合う新八と神楽。そこに銀時が割って入ったせいで更にヒートアップしていく。
そんな彼らの姿がとても懐かしく感じ、海は三人を止めることなくずっと眺めていた。
「海?」
いつもなら喧嘩を止める海が止めずに黙って見ている状況に銀時が不審がって振り返る。つられて新八と神楽も口喧嘩をやめて海の方を見た。
『もういいのか?』
「え?なに?もっと喧嘩して欲しいの?」
『そういうわけじゃねぇけど……』
「どういうわけ?」
『その……懐かしくて』
海の一言に銀時たちは顔を見合わせ、そして海の胸元へと飛び込んだ。
『おい……何がしたいんだお前らは』
三人を受け止められる訳もなく、海は後ろへと倒れ込む。地面に頭を打ち付けそうになったが、銀時の手が海の頭を支えてくれたおかげで怪我をすることはなかった。
「海さんがあんまりにも……」
「海が可愛いのが悪いネ」
『変なこと言ったか?』
新八と神楽の頭を撫でながら銀時の方に目を向けると、優しい笑みを浮かべて海を見つめていた。
「言ってない。でも、海が可愛かったのは賛成」
『意味わかんねぇ』
しつこくきいても銀時たちは何も言わず、ただ海に引っ付くだけ。その内に聞くことを諦め、夕日から紺色に変わっていく空をぼんやりと眺めた。
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