第200幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「それだけか」
「えっ?」
「言いてぇことはそれだけか?」
銀時の問いに金時は呆気に取られる。その隙に木刀を広いあげ、金時の右肩へと振り下ろした。
「悪い。話長くて半分以上聞いてなかった」
「き……聞いてねぇじゃ済まねぇぜ。俺を殺れば……」
「お前が終わんだろ」
怒りに任せて金時の頭を掴んでむしり取る。ここで金時を壊しては他の奴らに被害が出てしまうだろう。辺りを見渡して適当に選んだ建物の中へと入り、屋上へと向かった。
「(あいつは……大丈夫だよな)」
すべてを終わらせるにはこうするしかない。
その時、海は一人になってしまう。自分のことを思い出して悲しむだろうか。
「(泣かせるのは嫌だけど、こればっかしはどうしようもねぇよな)」
街のヤツらを、海のことを守るためにはこうするしかない。
自己犠牲も大概にしろと言われそうだ。その言葉そっくりそのまま返したいけれど。
「て……てめぇ……まさかその手で終わらせるつもりか。仲間を一目見ることもなく失ったまますべてを……」
普通の人間ならば喋ることは無いのだが、機械の金時は違う。頭だけになっても口は機能しているらしく、銀時が階段を上がっている間ベラベラと皮肉を並べた。
「終わらねぇよ。終わんのは……俺とお前だけさ兄弟」
屋上の真ん中で膝をつき、金時を腹に縛り付けて木刀を手にする。
「切腹!?記憶どころかすべてを失い廃人になるぞ!」
「結構なこったよ散々人に忘れられたんだ。今度は俺が忘れる番だ」
これくらいの仕返しくらいしたっていいじゃないか。神楽と新八の記憶を取り戻すためにひたすら邪魔をして、海の記憶を取り戻すために……いや、何もしてないか。
海は銀時が死なないと思い出せない。自分が死ぬ事で海が記憶を取り戻し、喪失感で悲しむくらいならば、銀時が記憶を失って廃人になる方がまだマシだと。海は銀時のことを思い出すことなく日常を送り、銀時は海のことを忘れて無になる。
自分が居なくても海のことは新八や神楽が見てくれるはず。任せたくはないけど、真選組のヤツらも海を守ってくれるはずだ。
「だから、大丈夫」
.