第200幕
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「ぐうあッ!!」
海に作ってもらった道を走り、銀時は金時の元へ辿り着いた。ここで金時を仕留めれば全て終わる。街の人たちも銀時のことを思い出して戦ってくれているのだ。ここで自分が頑張らなければ。
「消してやる。貴様の中から記憶も仲間も自分自身の存在すらすべて」
銀時の木刀は金時の頭を貫き、金時の手は銀時の頭を掴んでいる。相手は機械の身体。生身の銀時では不利に近い。それでなくても銀時は金時とやり合う前からボロボロの状態だった。
「消えんのはてめぇだ。てめぇのちっぽけな記憶データが焼ききれんのが先か俺の魂がかき消えるの先か……ケリつけてやらぁ」
「この金と銀の生存争い。どっちに転んでも消えるのはお前なんだよ。俺はある特殊な条件下で発動するプログラムを自分に組み込んでここに来た。かぶき町を覆うほどの強大な催眠爆発を伴った自爆。発動すればこの街全ての記憶がゼロに戻る。発動条件は二つ。一つはこの俺の中枢が破壊された時、二つ目は全ての始まりの四人が俺の前にそろった時だ」
金時を壊せば自爆が発動する。ここに神楽や新八、お妙が来た時も発動してしまう。
その事実に銀時はぼうっと金時を見つめた。
「俺がこんな小説を本気で乗っ取りたいとでも?悪いが俺はお前のお下がりで収まる器じゃねぇ。お前から全てを奪い、最強最悪の敵としてその前に立ちふさがる。しかしお前は孤軍奮闘し仲間を取り戻し、ついに皆と力を合わせ俺を倒す。そうその最終決戦にふさわしい展開こそが俺が求めていたもの。俺はこの小説を最終幕にしたかったのさ。そして新たな小説を作る」
銀時を抹消し、金時が新たな主人公として君臨する。
声高らかに金時はそう言ってのけ、自分が如何に完璧な主人公になれるかを聞いてもいないのに語り始める。
「お前がいなくなれば全ては俺のものだ。お前がいたという過去を消し、これからは俺がこのサイトを担っていく。心配するな。俺なら海を幸せにしてやれるさ」
"海"と耳にした時、銀時はピクリと眉を上げた。
「あいつはお前のことを思い出すことは無い。海の記憶を全て消せば一から始められる」
「てめぇ、あいつに何しやがった」
「取引だ。あいつはお前のために俺と取引をしたんだ」
それは海らしい考えの取引だった。
銀時のために自分の身を危険に晒す行為。
そして海が銀時のことを思い出せない理由。
「お前が死ねば海は記憶を取り戻す。銀時を失った時、あいつはどんな顔をするんだろうな。喪失感で嘆く海の姿は滑稽だろう!」
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