第199幕
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「それがお前らの意思か。ならばお前たちはかぶき町の敵だ」
柳生家、百華、そして忍びの猿飛を前にしても金時は物怖じせず笑うだけ。金時の味方をしている奴らがまだ居るからこその余裕なのだろう。
「そうか……それが君の答えか」
九兵衛の哀しみのような呟きに誰もが口を閉ざす。金時の豹変ぶりに戸惑いを隠せない町民たちはただこの状況を固唾を呑んで見守ることしか出来ない。
先に動き出したのは相手側。地面に突き刺さっている月詠のクナイを金時が踏み越えようとしたとき。
「ならば俺たちの答えも決まった」
「なんのマネだ、こいつは」
一歩踏み出した金時の顔の真横へと桂の刀、そして長谷川が持っているブラシの柄の先が向けられた。
「女ってやつはすぐ裏切るが、男ってのは義理と人情の生き物だと思ってたよ。俺たちは仲──」
「仲間だよ」
「紛れもねぇ」
「金時、昔俺はある友と約束をした」
「金さん、俺はあるダチ公によくぶん殴られた。それが俺たちだよ」
「そのゆく道が正しいと信じた時はどんな困難な道だろうと共にゆく」
「だがその道が気に食わねぇ時はたとえすべてを敵に回し一人になっても友の前に立ちふさがる」
「それこそが」
「その男こそが」
「そのバカこそが」
「そのチャランポランこそが」
「そのドS野郎こそが」
「「「「俺たち(私たち)の仲間。坂田銀時だ」」」」
この場所にいる全員が金時に向けて己の獲物の切っ先を向ける。何が起きたのか分かっていない銀時は彼らを凝視したまま固まっていた。
『良かったじゃねぇか』
「え……」
『これがお前の望んだことだろ。街のヤツらが"坂田銀時"を思い出し、街から異物を排除しようとしている』
「海は……俺の事……!」
海は黙って首を横に振る。海の記憶が戻る条件は満たせていない。彼らは自力で思い出すことが出来たが、自分はそうではない。
『俺は……お前のこと思い出せないよ』
「なんで……!」
『それは……』
お前が死ぬ事が条件だから。とは口が裂けてもいえなかった。
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