第199幕
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銀時は四方から町民達に囲まれて逃げられない状況に追い込まれていた。
すかさず助けに行こうとした海の目に映ったのは、銀時を庇うように立った三人の女。
猿飛、月詠、九兵衛は各々武器を金時に構えている。
仲間だと思うなら身を引いてくれるはずだと訴える三人に金時は笑って消えろと呟いた。
『仲間と言った相手に対してそんな事言うのか。お前の頭は錆び付いて使い物にならないみたいだな』
「桜樹!?なぜぬしがここにいる!」
金時と彼女らの間に割り込むように屋根から飛び降りる。後ろで月詠と九兵衛が騒がしくしているが無視。
「お前も銀時を守りに来たってか?」
『万が一死ぬようなことがあれば事後処理が面倒なだけだ。町民に殺されたとなればここにいるヤツらを全員捕まえなきゃいけなくなる。そんなめんどくさい事誰がやるか』
海の登場に驚いているのは月詠達だけではない。その後ろに立っている男もまた目を見開いて海のことを見つめていた。
さっき別れたばかりだというのにもうボロボロになっている。怪我がなければ時間は容赦してやると言ったのに。
『逃げるのが下手くそなのか、それとも無駄な優しさなのか。本当にお前はどうしようもない男だな』
「なんで……お前がここにいるんだよ!さっき言っただろうが!!」
『悪いが覚えてない。最近物忘れが酷くてな』
「80過ぎたジジイみたいなこと言ってんじゃねぇよ!!!」
『あーうるせぇ』
ギャーギャー喚く銀時の声を聞かぬように耳を塞ぐ。文句を言っているように見えて、どことなく嬉しそうに聞こえるのは自分の勘違いだろうか。
「お前まで来る必要は……」
『死なれては困る。言っただろ。あとがめんどくさい事になるって』
「でも……」
『でももだってもない。子供みたいな言い方してんじゃねぇよ。今はそんなわがまま聞いてる余裕はない』
海たちの前には未だに金時の肩を持つ者たちがいる。その中には桂もいるのだ。
もし桂と剣を交えることになったら。
『半殺し……で済めばいいか』
手を抜くなんてことは出来ない。本気でやらなければこちらがやられるだろう。
銀時が出来ないと言うなら海がやるしかない。その為にここに来たのだから。
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