第198幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「なんだこの人だかりは」
「わかりません。もう少し前に行けば何かわかるかもしれません」
次の日の昼頃、海たちは吉原へと来ていた。ただふらっと無意味に来たわけではなく、万事屋メンバーのあとを追ってきたところである。
その先、建物の周りに人が集まって上を見上げて指を差していた。派手な服を着た女が建物の屋上に立ち尽くして何かを喚き散らしている。下で見ている人達の話だと、客の男を別の女に取られたとかなんとか。
『飛び降りか?』
「みたいですね。あ、あそこ見てください!」
たまが指差した方へと目を向けると、万事屋の店主である坂田金時が女の横にいた。
「銀時様、チャンスです。ここで──」
『坂田ならもう行った。というか、女より坂田の方が今まさに飛び降りようとしてる顔なんだが』
「えっ」
海たちが女に集中していた間に銀時は建物の屋上へと移動していた。銀時もたまと同じくチャンスだと思ったのだろう。
「大丈夫でしょうか」
『さぁ。女の自殺を防いでくれれば俺はなんとも』
こんなところで死体が出てはめんどくさい事になる。吉原は上の法律が効かない場所なのだ。もし、女がここで死のうものなら吉原のやり方で遺体が処理される。警察である海がその現場を見ていたとしても介入することは出来ない。女が吉原で生まれた人間であれば構わないが、そう出なかった場合。上の法律が適用されるのか、それとも吉原のやり方が適用されるのか。それを調べなければいけなくなる。
『面倒事には巻き込まれたくないんだけどな』
このまま銀時が女の注意を引いていてくれればいい。
なんとなくだが、彼ならやってくれるような気がした。
.