第197幕
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「おはようございます。銀時様」
「……あ?たま?」
「まだお目覚めになられていないようですね。お水をご用意いたしますのでお待ちください」
そう言ってバケツを手にして部屋を出ていこうとするたまを銀時は必死になって止めた。
朝、7時。扉が強引に開けられる音が聞こえて目が覚めた。
何かあったのかと銀時は顔を上げる。入口の方から物音が聞こえるだけで、扉を開けた人物は部屋に入って来ることはない。不審に思って身体を起こそうとしたが、右腕に何かが乗っかっていて上がらなかった。
「おっと……やべ、忘れてた」
右腕の上にあるのは海の頭。海が寝落ちる前に頭の下へと滑り込ませていたのをすっかり忘れていた。
「朝っぱらから一体なんなんだよ。用があんなら電話すりゃいいじゃねぇか」
ガタガタと聞こえてくる音にため息をつく。様子を見に行こうにも、海が銀時の腕を掴んでいるため動けない。
相手が入ってくるまで待つか、それとも海の手を引き剥がすか。
「まだお姫様が眠ってるでしょうが。邪魔すんな」
見に行くのがめんどくさい。音で海が起きてしまわぬように布団をすっぽりと被し、銀時は無視を決め込んだ。
そして二度寝をするべく目を閉じる。
「おはようございます、銀時様」
そして冒頭へ。
部屋の扉を無理矢理こじ開けて入ってきたのはたまで、その後からのっそりとついてきたのが定春。
「なに?突撃朝ごはん?まだ作ってもないし、作る気もないんだけど」
「突撃隣の晩ご飯です。いえ、突撃ラブホの朝ごはんです」
「いや、言い直さなくていいから。で?こんな朝から何よ」
「今日は柳生家からの依頼を受けているそうです。すぐに柳生家へ向かいましょう」
「こんな朝から行くバカがどこにいんだよ!行くなら昼頃だろうが!」
「わかりませんよ。こんな依頼朝飯前だと言って、朝食の前に済ませるかもしれません」
「相手方に迷惑だろうが!それにまだ海が寝てんだよ!」
これだけ銀時が騒いでいるのに目覚める気配はない。深い眠りに入っているのか、寝言もなければ寝返りもしない状態。生きているのかと怪しくなるほどに静かだった。
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