第196幕
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「まあ、それは心配ね。心当たりはないの?海くんの行き場所」
「あの日……。変な男が店に来た時には海さん居たんですけど、それからは見てないんです」
スナックスマイルにて、金時率いる万事屋はお妙に海の行方を聞いていた。
「街中捜し回ったけど、どこにも……」
「またいつもの方向音痴じゃなくて?あの人、目を離すとすぐにフラフラとどこかに行っちゃうじゃない」
「でも、いつも見回りしてる街ですよ?慣れてる街でそんなこと……」
「あら、分からないわよ?この間だって、ふらっと現れたけどすぐどっかいっちゃったもの。声かけたけど変な顔してたし」
「変な顔?」
「ええ。なんだか怯えてるようにみえたわ」
お妙が声をかけると、海は驚いてその場を立ち去ってしまった。と話すお妙に新八と神楽を首を傾げる。まるで幽霊でも見たかのような反応だったと笑うお妙に金時は緩い笑みを浮かべた。
「あいつが幽霊を見て驚くとは思わねぇな」
「ふふ、そうね。海くんなら化けてでてきた相手でも斬り伏せちゃうもんね」
場を和ませるように金時とお妙は笑い合う。だが、神楽だけは俯いたままだった。
「このまま海が戻ってこなかったらイヤアル」
その言葉でしん、と静寂が訪れた。
「定春もたまも帰ってこないネ。みんなどこに行っちゃったアルか?もしかして私のこと……」
嫌いになってしまったのか、と呟く前に金時が止める。俯く神楽の頭に手を置き、慰めるように優しく撫でた。
「心配すんな。ヤツらはお前のことを嫌ったりしねぇよ。定春もたまもお前のことを大事に思ってるさ。海だって神楽のこと可愛がってたんだ。そんな奴が神楽のことを置いていったりしねぇ。心配すんな、俺が必ず見つけ出す。約束するよ」
それでも寂しそうな顔を浮かべる神楽に金時は微笑みかける。
「でも……海、変だったアル……金ちゃん倒れてても助けようとしなかったネ」
金時が銀髪の男にビデオで殴り倒された時。海は倒れている金時を黙って見つめていた。いつもならすぐに手を貸してくれるのに。あの時だけは海は何もしなかった。
「仕事ばっかで疲れてたんじゃないか?戻ってきたら労わってやろうぜ。毎日お疲れさん、って」
「……うん」
海が動かなかった理由を神楽に与えてやると、神楽は納得していない顔をしつつもこくりと頷いた。
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