第195幕
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「海様は銀時様のことも金時のことも知りません」
「それはさっき聞いた。何でそんなことになってるんだよ」
倒れた海を胸に抱き、銀時は疑問をたまにぶつける。
海は完全に銀時のことを忘れている。その点は町の人達と同じ状態だ。だが、町の人間と決定的に違うところがある。それは坂田金時のことを知らないというところ。
「海様が一年ほど出張に行かれていたことはご存知ですよね?」
「出張というか失踪というか、あれだろ?更新が止まってたっていう……グフッ!」
「そういうメタな発言はいりません」
たまは容赦なく銀時の頭へとモップの先を振り下ろして話を続けた。
「二週間ほど前に海様は江戸に戻ってきました。ですが、その時点で既にこの町は坂田金時によって作り替えられていました。海様は真っ先に万事屋へと来たのですが、そこに居たのは銀時様を忘れた神楽様と新八様。そして見知らぬ男」
万事屋の看板を見た時点で海はこの町の異変に気づいたのだろう。銀から金に変わり、町民たちも銀時の事を知らないと言う。ずっとそばに居た神楽と新八でさえ銀時を知らないと言って笑い、見知らぬ男に懐いている姿を見て海は何を思ったのだろうか。
「海様はずっと銀時様のことを探していました。人に聞いても銀時様の行方がわからず、その度に落ち込む姿はとても見ていられませんでした」
「待てよ。なら今も覚えてるはずじゃねぇのか?今までずっと俺の事を探してたっていうなら」
それなのに今は忘れてしまっているなんておかしいじゃないか。たった二週間の間で海に何が起きたんだ。
「それは後ほど説明します。今は……ひとまず服を着てください」
地面に置いてある銀時の服を指差し、早く服を着ろと急かす。服よりも海のことを教えてくれと頼んだ銀時の頭の上に再度モップの先を落として。
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