第176幕
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"しんしんと雪の降るかぶき町。吐いた息は白くモヤのように漂い消えるのを桂は静かに見ていた"
「俺たちは追っ手から追われ、宿も失い途方に暮れていた」
『んぐぐ、』
「うん。言いたいことは分かるけど耐えてな?大丈夫だって。情景描写なんか適当にやられてるはずだから。海が気にすることじゃねぇよ。きっとみんなわかってくれっから」
めんどくさい回想モードに入るな、と言いたげな目で桂を睨む海の頭を落ち着かせるように撫でる手。
"そんな俺たちの目に飛び込んできたのは家電屋の表に並べられたテレビ。選挙の話で盛り上がっていた番組をエリザベスと共に見ていた"
「銀さん、もう海さん離してあげてください。なんか可哀想ですよ。桂さん止めてもらいましょうよ」
「海が手ェ出したらヅラが本物のヅラになっちまうぞ?」
「いいじゃないですか。一々ヅラじゃないって否定されなくなるじゃないですか」
海の代わりにツッこんでいた新八が疲れた顔で銀時を見る。もう自分にはどうにも出来ないから海に助けてもらおうと思ったのだろう。
そんなことを銀時が許すはずもなく、海の口を塞ぐ手は緩めることはなかった。回想シーンが終わるまでは大人しくつっこんでろよ、と新八に言い放つと、新八は心底面倒くさそうな顔をした。
「銀さんがつっこんでくださいよ……」
「ぱっつぁんがツッコミ役ネ。銀ちゃんはボケ役アル」
「ツッコミが僕しかいないんだけど!?」
「いや、海もたまにツッコミするから大丈夫だろ。あ、夜は俺がツッコミ役だけどね?」
「あんたは何未成年の前で下ネタ晒してんだよ!!!」
「わかんねぇよ?見てるヤツらは未成年じゃねぇかもしんねぇだろ?歳食った熟女かもしんねぇし、ピチピチの二十歳なりたての姉ちゃんかもしれないだろ?」
「"読者"じゃなくて僕達に気を遣ってください!!!」
「なんでお前らに気を遣うんだよ」
「この人本当に大人なの!?」
「大人も大人。お前知らねぇの?ちょっと前に銀さん年齢暴露されたからね?三十路一歩手前だからね?ちなみに海は俺の一個下だから」
"一個下"という銀時の発言に新八は目が飛び出るのではないかというほど見開いた。
「え……海さんの方が年上かと……」
「は?なに?俺より海の方が大人っぽいって言いたいの?残念でしたー、海くんは俺の一個下ですー」
「銀ちゃん、最近の流行りは年下攻めアル。優しい年上を鬼畜な年下が食い漁るのがイイって紗夜が言ってたヨ」
「近頃のガキはなんてモンを話題にしてんのォ!?」
桂の回想を無視して盛り上がる銀時たち。それを冷めた目付きで見やる海。こんなところで自分の年齢が明かされるとは思ってもみなかった。
というか、桂が一人で回想シーンを語っているのを誰もなんとも思わないのか。
刈り上げの話から一転、桂とエリザベスはフミ子婆という女性との出会いを話し始めた。
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