忘れた頃にやってくる(土方ver)
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「じゃあ、僕たち帰りますね!」
「海、またね!」
『気をつけてな』
「ちょ、待てって!こんなところに海を置いていけるわけないでょうが!」
「はいはい。もう後は土方さんに任せましょうよ銀さん」
新八と神楽に引きずられながら銀時は部屋を出ていく。じたばたと暴れる銀時をそっと見守った。
「おい、部屋から出るな」
『ん?ああ、忘れてた』
くいっと後ろから襟を引っ張られて部屋へと戻る。仕切りの方へと戻ると、パタンっと障子を閉める音が響いた。
「その……悪かったな」
『何が?』
「服のセンス悪くて」
『まだ気にしてたのかよ』
キャバ嬢が着ているような服だと色んな人に言われたせいで土方は海の服を見る度に俯く。着ているのは自分なのだから別にそんなに気にしなくてもいいのに、土方は選んだ自分の責任だと言って聞かなかった。
『俺はこの服気に入ってるんだけどな』
「お前だってキャバ嬢の服って言っただろう」
『近藤さんに言われたからそう思ったんだよ。そもそもキャバ嬢が着てる服なんてあまり知らないし。ちょっと派手だなとは思ったけど』
こんな派手な着物は自分には合わない。綺麗な着物は華やかな女性が着た方がとても似合うだろう。
「気に入ってるなら、いいけどよ」
『ん、これ用意してくれてありがとな』
不機嫌そうな顔は今では緩い笑みに変わった。どうやら上手く土方の機嫌を直すことが出来たようだ。ほっと胸を撫で下ろしながら海は手元の書類へと目を落とす。
「海」
『ん?』
「お前厠行ったのか?」
『いや、行ってない』
そういえば今日は一度もトイレに行っていない。言われて気づけば段々と気になってくるわけで。
『土方』
「なんだ」
『厠……行きたくなってきたんだけど』
「……えっ」
『言われたらなんか行きたくなってきた。気にし出すと行きたくなるもんなんだな』
尿意を感じたからトイレに行こうと立ち上がる。すると、海に合わせて土方も立ち上がった。
「待て。一緒に行く」
『なんでだよ』
トイレに着いてきて貰うほど子供ではないと言ったが、土方はどうしてもついて行くと言ってきかない。
『土方も行きたいのか?』
「そういう訳じゃないが……その……」
『なに?』
「お前今女なんだからな?」
『そうだけど?それがどうしたんだよ』
「お前、立ってやるなよ?」
何を?と聞かなくても分かった。
『……めんどくさいな』
深くため息をつきながら海は隊士たちの目を掻い潜るようにトイレへと向かった。
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