忘れた頃にやってくる (銀時ver)
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「すっかり良くなったわね!よかったよかった」
『ご迷惑お掛けしました』
「いいのよ!なんだか妹が出来たみたいでワクワクしちゃったもの」
次の日には痛みも吐き気も無くなった。股の違和感は継続中だが、全身の気だるさなどが無くなったから多少は許せる。
「海さん、ご飯は食べれそうですか?」
『おう。あ、でもそんなに食べれないんだわ』
「えっ、どうしてですか?」
『女になった途端食事量が一気に減ったんだよ』
「胃袋が小さくなったんじゃねぇの?普通はそんなもんでしょ」
だからお茶碗一杯くらいで大丈夫だと新八に告げると、銀時と新八は「えっ」という顔をした。
「一杯で足りるんですか!?」
「いくらなんでも減りすぎじゃねぇ!?お前いつも三合ぐらい食べてたよな?」
『だから言ってんだろ。食べる量減ったって』
「やだ。そんなに減っちゃったの?海くん細くなっちゃうわよ?」
「確かになぁ。昨日抱いたときすげぇ軽くてビビったわ」
"抱いた"の言葉にお妙と新八がピシッと固まり、二人は銀時のことをゲスを見るかのような冷めた目で見つめる。
「銀さんあんた体調崩してる人に何やってるんですか」
「心配してるフリしながらそんなことしてたのアナタ」
「いや違うからね?お前らが想像してる奴とは違うからね!?抱いたってそういう意味じゃないから!」
『(抱いたじゃなくて抱き上げたって言えば良かったものを)』
新八が作ってくれた卵焼きをつつきながら二人に問い詰められている銀時を横目で見る。今日もいつもと変わらず騒がしいなぁと思いながら海は隣にいる奴の方へと視線をずらす。
『で、桂はまだここに?』
「心配だからな。ピークを乗り越えたとはいえ、まだ辛いだろう。海、ちゃんと鉄分は補給しておきなさい。ほら鉄鍋で沸かした白湯だ」
『お、おう……』
ああした方がいい、こうした方がいいと桂にアドバイスされて海は色々とした。途中で桂は本当は女だったのではないかと思うほどに。
「それじゃあ俺は帰る。くれぐれも無理はしないようにな」
『夜遅くに悪かった。ありがとな、桂』
「ふっ。気にするな友のためだ。いつでも駆けつけるさ」
エリザベスのお迎えで桂は帰宅。これからどうしたものかと玄関先で悩んでいると、銀時が後ろから抱きついてきた。
「ヅラ帰ったのか」
『エリザベスが迎えに来たからな』
「そ、」
するっとお腹に銀時の腕が回り込んで抱きしめられる。銀時の胸と自分の背中がピッタリとくっついている状態で、銀時は海の肩に顎を乗せた。
「ほんと小さくなったな。これじゃ簡単に折れちまう」
『折るなよ馬鹿力』
「折らねぇよ。だからこうして優しく抱きしめてるんでしょうが」
『……そうですか』
「海、耳まで真っ赤だけど」
『うるせぇ。一々言うな』
「かーわい。いつもの海も可愛いけど、今の海は超絶可愛いわ」
『黙れと言ったのが聞こえなかったか?』
ここでいつもなら足を振り上げて銀時を蹴り飛ばすのだが、今はそれが出来ない。いや、右足は蹴る体勢を取っていた。でも銀時に簡単に押さえられてしまっている。
「女の子がそんなことしちゃいけません」
膝を押さえていた手が太ももへと上がる。下から上へと撫でられる感覚に背筋がゾクッと震え、何故か下腹部が疼いた。
「海、」
『銀っ!』
「興奮しちゃった?」
甘い声で囁かれて顔が赤く火照る。そんな声で喋るなと文句を言っても銀時は止まらなかった。
「やだ。そんな可愛い顔されたら意地悪したくなるだろ」
『ふざけんな。蹴り飛ばすぞお前』
「だから言ってるだろ?女の子はそんなことしたらダメだって。はしたないって思われるぞ?」
「銀さん、ウチの前でそういうことするのやめてくれませんか」
「ぱっつぁん……今いいとこ。邪魔すんなよ……」
「あら銀さん。何がいい所なのかしら。病み上がりの子を襲って興奮するなんて。そのいちもつ切り刻んであげましょうか?」
にっこりとお妙は銀時の首筋に薙刀を構える。冷や汗を垂らしながら銀時は両手をあげて降参。
「ここで何してるアルか?」
「なんでい。こんなところに集まって写真撮影ですか?」
玄関先に現れたのは神楽と総悟。二人は不思議そうな顔をしながら中へと入ってきた。
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