忘れた頃にやってくる (銀時ver)
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皆が寝静まっている頃、銀時と桂は新八の家へと上がり込む。まっすぐ海がいる部屋と向かうと、布団の中でゴロゴロと動いてるいるものが見えた。
『あ゙ー……くそ……』
「海!」
『銀時……?あ……悪い起こしたか……って、なんで桂も?』
「まだ痛みがあるようだな」
『なんで知ってるんだよ』
「銀時が助けて欲しいと俺のところに来たんだ。お前が女になっていると」
『……銀時』
なんで喋ったんだと視線で責められ、銀時は頭をガシガシと掻きながら海のそばに座った。
「だって痛がってる奴を放ってはおけねぇだろ。普通の薬じゃ効かねぇっていうならと思って」
『それで桂呼び出したのかよ』
「呼び出したわけじゃねぇよ。こいつが勝手に着いてきただけですー」
ただでさえ身体がだるいのに二人の話に付き合ってる余裕なんてない。隣に座っている銀時に寄りかかりながら海は桂と銀時の話を黙って聞いていた。
「して海よ。今はどれくらいだ?」
『じっとしてても辛い』
「ふむ。お腹にカイロは貼ってあるか?」
『カイロ?』
「腹部を冷やすと痛みが酷くなる。温めておいた方がいいぞ」
そう言って桂は貼るカイロを風呂敷から取り出す。ピリピリと包装を破いて中身を取りだして布団を捲りあげた。
「こうしておけば徐々に温まるだろう」
『ん、』
「食事はとれているのか?」
『まだ何も食べてない』
「ならばうどんを作ってやろう。温まるぞ」
優しい笑みを浮かべて桂は風呂敷を持って台所へと向かう。
「え、あの風呂敷薬が入ってるんじゃねぇの?うどんなんて入ってねぇだろ」
『桂はカツえも○だから。ポケットじゃなくて風呂敷から色々出すんだろ』
「無理あるだろそれ。つか他人の家の台所使う気なの?」
『……後でお妙さんに謝っとく』
「謝るのお前じゃないから」
こうして話している間にも銀時の手は自然と海のお腹を撫でていてなんだか気恥しい。先程桂が貼ってくれたカイロも段々と熱を持ち、痛みが少しだけ和らいだのを感じて、銀時の手を掴んだ。
「なに?どうした?」
『もう大丈夫だから』
「大丈夫じゃないだろ。お前顔真っ青よ?」
『そりゃ一日中痛みがあればそうなる。今は少し落ち着いた』
「そんな無理しなくていいから。甘えとけって」
布団の中へ戻ろうと身体を動かすが、銀時にひょいっと持ち上げられて足の上へと乗せられる。お腹が冷えないようにと下半身には布団が掛けられ、布団の上からポンポンと撫でられた。
『銀、』
「俺がしたいだけだから」
『……勝手にしろ』
「うん」
月明かりに照らされた銀時の顔はいつも以上に優しい眼差し。慈愛に溢れすぎているその目を直視することが出来ず、海はそっと顔を伏せた。
『銀時』
「ん?」
『ありがとう』
「どういたしまして」
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