風邪の日(銀時ver)
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仕事を終えてふらりと立ち寄った場所。からからと引き戸を開けると部屋の中からパタパタと走りよってくる人の気配。相手は海の姿を見た瞬間嬉しそうに笑って出迎えてくれた。
「海さん!こんばんは、こんな時間にどうしたんですか?」
『……銀時いるか?』
「いえ……まだ仕事から帰ってきてませんけど……中で待ちます?」
『いや……居ないならいい。邪魔したな』
「海さん?なんかすごく顔色悪そうですけど……って、海さん!?」
「新八ィどうしたネ……海?」
新八と神楽が駆け寄ってきて大丈夫かと声をかけてくれるけど返事をしている余裕はもう無かった。
玄関先で座りこんでしまった海に二人は驚き慌てる。
屯所に帰ろうと思っても身体を動かせない。それどころか酷い吐き気に襲われていて目を開けているのも辛かった。
胃がムカムカしているのを感じて口を押さえたが、海の意思に反して胃の中の物はせり上がってくる。
「海さん!?え、ど、どうしよう……神楽ちゃん!タオル持ってきて!」
「わ、わかった!」
『うっ……ゲホッ……っあ……』
「大丈夫ですか!?海さん!」
ぼたぼたと吐き出し始めた海を見て青ざめていく新八の顔。子供の前で情けない姿を晒している。でも今はプライドだのなんだのを気にしていられない。
「新八!持ってきたヨ!」
「ありがとう、神楽ちゃん。海さん、タオルありますから……どうしよう……銀さん居ないし……お登勢さんに来てもらう?」
「それなら私呼んでくるアル!」
海の横をバタバタと走り抜ける神楽を横目で追う。吐き終わって脱力してしまった身体はゆっくりと倒れ込む。床に倒れ込む寸前に新八が支えてくれて、床にぶつかることはなかった。
『しん……ぱ……』
「海さん?」
『ごめ……な』
「大丈夫ですよ謝らなくても。いつも僕達が助けてもらってるんだからこれくらい大した事ないですよ」
「新八!!銀ちゃん帰ってきたアル!!」
「おい!海は……って、なんじゃこりゃ!」
「銀さん!海さん体調悪いみたいで……ここで吐いちゃったんです!」
「おいおい……マジかよ……海、大丈夫か?気持ち悪いならここで全部吐き出しちまえよ?」
『ん……』
ぽすっと頭に銀時の手が乗る。くしゃりと優しく撫でられて涙がぽろりと零れた。
暫くその場で休んだあと、銀時に抱えあげられる。
「新八、そこ頼めるか?」
「はい!」
『ぎん……ごめ、』
「いいからお前は休んでろ。ちょっとこのままじゃアレだから風呂にはいくぞ?」
『う、ん』
脱衣場で服を脱がされてシャワーで吐瀉物を流される。その間、力が入らない体を銀時が支え続けていてくれた。
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