お迎えにあがります
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「実はさ、海と多串くんが駆け落ちしたんじゃないかって……」
『駆け落ち?』
「そう。最近やけに仲良いからよ……二人が一緒に行方不明になったって聞いた時、二人でどっか行っちまったんじゃないかって疑った」
だからごめん、と謝る銀時に海は何も言わずに俯いた。その姿に銀時はもしかして信頼されていないのだと落ち込んだのかと心配になった。
疑ってしまった手前、なんて声をかければいいのかわからない。海に愛想尽かれてしまったか。俯いたままの海に段々と焦り、背中に嫌な汗が伝う。
『駆け落ちねぇ?』
「いや、ほんとごめん!!」
『俺がそんなに軽い男に見えんのかよ』
「そうじゃないけど!全然海は軽くねぇけどよ!ねぇ、けど……」
海がホイホイついて行くような男ではないことは知っている。それでも土方との仲を疑ってしまうのは、海が大好きだから。好きだからこそ、自分以外の野郎と親しくしているのを見てしまうと、モヤッとしたものが胸を覆う。
自分以外の男を見ないで欲しい。そんな欲が銀時の中で渦巻いていた。
『銀時』
「な、なに?」
『俺は銀時以外のヤツに興味はない』
顔を上げて銀時の目を真っ直ぐ見据える海。
『俺は……銀時じゃねぇと……嫌だ』
恥ずかしそうに呟いた海に銀時は呆気に取られた。
自分以外の人間は嫌だと言った海。銀時は徐々に顔が熱くなっていくのを感じた。そんな顔を見られないようにと、海を抱きしめて隠した。
『銀?』
「俺も海じゃなきゃやだ。海だから好きになったんだよ」
『ん……』
銀時の首へと腕を回して擦り寄るように抱きついてくる。その温もりが愛しくて、銀時はずっと抱きしめていた。
『なぁ、銀』
「うん?なーに?」
『今日、そっちに泊まっても……いいか?』
「真選組の方はいいのかよ」
誘拐事件があった後なのにウチに来て大丈夫なのか?と問えば、海はなんとかする。と呟いた。
『今日は銀と一緒にいたい』
「……なに?今日はデレデレの日なの?」
『たまにはいいだろうが、バカ』
くすくすと笑う銀時に拗ねたように唇を尖らせる海。
その唇に銀時は己の唇を押し当てて塞いだ。
「おいで、たっぷり愛してやっから」
『それはこっちのセリフだわ』
「え?」
『今後、疑うような事が無いくらい愛してやるよ。覚悟しとけ』
不敵な笑みをする海。これは暫く甘いものは要らないだろう。
これからどれだけ甘い雰囲気になるのか。銀時は期待しながら海を抱いて廃工場を後にした。
.