お迎えにあがります
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「こりゃたまげたなァ。本当に真選組局長の首を持ってくるとは……お前さん何者だ?」
「あ?しがない万事屋だわ」
「万事屋ねェ。なんでも仕事をこなすってか」
「依頼されればな」
「そうかい。ならそんなお前に依頼を頼もうかね」
にやり、と口角を上げて銀時を品定めするように見る男。男は土方と海を交互に見てから口を開いた。
「どちらか一方を殺せ。残った方は解放してやる」
「俺は二人とも解放しろって言ってんだけど?」
男の言葉に銀時は溜息をこぼして反論したが、首元へと向けられた刀の切っ先に黙らざるを得なかった。
「殺せ。副長と副長補佐。どっちかだ」
「……真選組潰す気か」
局長である近藤を殺し、真選組の柱である副長と副長補佐も排除する。きっとここで片方を生かしたところで、後々にその生き残った方も殺すつもりなのだろう。
そうして真選組を解体する。そういう魂胆。
「幕府の犬と囃し立てられて調子こいてるコイツらがどれだけ目障りか。俺たちの仲間はコイツらに捕まって牢屋に入れられちまったよ」
「だから?その腹いせでコイツら殺すって?ちょっと短絡的すぎんじゃねぇの?攘夷浪士なんかやってないでまともな職についてればそんな事にならなかったんじゃねーの?」
「こんな腐った世に。こんなぬるま湯に浸かっちまってるようなお前さんには分からねぇだろうよ。俺たちの苦しみは」
なんかどっかで聞いたようなセリフをベラベラと喋る男だなぁ。と銀時はとある幼なじみの姿を思い出していた。
「戯言はもう終いだ。どっちにするのか決めたのか」
「どっちか、ね」
銀時は土方と海を見比べた後、海の方へと向き直った。
「おい……嘘だろ……お前!!」
「お前は黙ってろ。おい、そこのアンタ。俺ァ、木刀しか持ってねぇんだわ。こんだけ痛めつけられてんのに殺すときまで木刀で殴打なんて可哀想だろ。刀貸せ」
後ろで騒いでいる土方を無視し、近くにいた男の腰にある刀を指差す。男は先程まで銀時と話していた男をチラリと見てから自分の刀を銀時へと貸した。
「やめろ……万事屋!!!」
「うるせぇって言ってんのが聞こえねぇのかよ」
「お前……そいつを、海を斬れんのかよ!!!!」
「こんだけやられてんだ……逆に早く楽にしてやんねぇと……可哀想だろう?」
受け取った刀を海へと振りかざし、緩く微笑む。
「やめろ……やめろォォォォォォォォ!!!!!!」
土方の慟哭が部屋に響く。
刀を海の脇腹付近へと突き刺して抜いた。
「時間だよ」
「あ?」
ぽつりと呟いた言葉に電話の男が反応し、訝しげに銀時を見る。
銀時は持っていた刀を地面に突き刺し、己の木刀へと手をかけた。
『手間、かけた』
「本当だわ。銀さんヒヤヒヤして漏らすかと思ったわ」
ゆらりと椅子から立ち上がった海は地面に突き刺さっている刀を手に取って抜いた。
「貴様……謀ったな!?」
「こんなことしてるお前らには言われたくねぇわ!」
まずは刀をなくした男へと木刀を振りかざす。身を守るものがない男は木刀で殴られて昏倒。それを驚いた様子で見ていた男も落とした。
「ふっ……ふはは!そんな体で何が出来る。お前もあの男と共に殺してやろう!!」
刀を構えた海を嘲笑う男。海はただ黙ってその男を見据えて……刀を一閃。
「ふははは、はは……は、がふッ」
『笑ったまま死ねるとはイイもんだなァ?このゲス野郎が』
海の剣筋が見えなかった男は笑った表情のまま息絶えた。そんな男をこれまた綺麗な笑みで見つめる海。
残った男たちは全員昏倒させ、海と土方が持っていた手錠をつけられた。
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