風邪の日(土方ver)
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「……い……お……」
『ん……まだ……もう少し……』
「おい、寝んのは構わねぇが布団で寝ろ」
『ひじ……かた?』
聞き慣れた声にうっすらと目を開ける。そこには書類を手にした土方が不機嫌そうな顔で俺の顔を覗き込んでいた。
その姿にハッとなり勢いよく起き上がる。突然体を動かしたせいで、ずきっとした激痛が頭を襲う。喉の痛みも先程よりも酷くなっていた。
「総悟から聞いた。お前、風邪引いてんだろ」
『引いてねぇっつの。総悟から何聞いてんだよ』
「てめぇが寒い寒いっていいながらくしゃみ連発してたってな。体調悪いなら寝てろよ」
べしっと額にデコピンされて、痛みに顔を歪める。机の上に置いてあったはずの書類が消えていて、咄嗟に周りを探したが見つからなかった。
「書類なら俺の部屋に運んだ。そんなに残ってねぇからすぐ終わるだろうよ」
『あれは俺の分だろうが。お前の分じゃない』
「元は俺のところに来てたモンだ。それをてめぇに手伝ってもらってただけだ。顔色悪ぃやつなんかに頼めっか」
『少し寝たからもう大丈夫だ。書類返せ』
体に力を入れて立ち上がる。土方の部屋に運ばれたであろう書類を取りに行こうと歩き出すが、足に上手く力が入らずに座り込んでしまった。すかさず土方が俺に手を伸ばして背中を支えてくれたが、その手を振り払ってまた立ち上がろうと踏ん張った。
「お前なぁ……休むことくらいしろよ。仕事熱心なのは構わねぇが、体調悪くしてまですることじゃねぇだろ」
『……俺より仕事多いくせに』
「あ?」
『俺より仕事多いくせになんでお前はそんな普通にしてられんだよ。おかしいだろ……お前の方が……』
「海!!」
ぶつぶつ呟きながら襖をあけて縁側へと出ようとした俺の体が傾く。すぐに土方に抱きとめられて倒れることは無かったが、その代わりに土方の切羽詰まった声が耳に届いた。
「てめぇ、いい加減にしろよ!?」
『うるさい……耳元で……さけぶなよ』
「今日はもう寝ろ!」
『……離せ……』
「今布団敷いてやるから待ってろ」
縁側の柱に俺を寄りかからせてから土方は俺の部屋の押し入れを開いて布団を取り出す。それをぼーっとした頭で見つめる。
熱に冒された頭では何も考えられなくて、ただじっと見つめていた俺を心配そうに見つめ返してきている土方と視線を交わらせていた。
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