ハチマキの危険度大
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「はあぁぁぁぁ!?ハチマキが目にかかって動けなかっただぁ!?」
『仕方ねぇだろ!?突然でびっくりしてわけわかんなかったんだよ!』
「バカかおめーは!もう少しで死ぬとこだったんぞ!?」
『そ、れは悪かった……』
海が相手していた天人は銀時の手によって地に伏した。そのあと、目元にかかっていたハチマキを取ってもらい、やっと目の前の闇が晴れた海は銀時の顔を見て安心し、銀時の腕の中へと倒れた。
肩の手当をしてもらいつつ事情を話せば、呆れた顔で罵られる。確かにこれは自分の落ち度である。ハチマキの縛りが甘かったが故の結果。まだこれが1対1、しかも途中から銀時が助けに入ってきてくれたから良かったものの、自分一人で多数の天人を相手していたら、死は免れなかっただろう。
『ありがとな、銀時』
「ったくよぉ……お前もう頭にハチマキ巻くの禁止な」
『はぁ!?そこまでのことじゃねぇだろ!?』
「ダメだ。二度とこんな事にならねぇようにしろ。ハチマキは……そうだな……今度から左腕に巻け」
そう言って銀時は海の左腕をグッと掴む。海は掴まれた衝撃で痛みに呻いた。
海は銀時の手を払い除けて距離を置く。さながら猫が威嚇しているような様である。
『大体、なんでお前がここにいんだよ。そろそろ別の奇襲が始まる頃だろ』
空が白む頃に別の部隊が拠点を奇襲する予定のはず。その前線を銀時が担っていたはず。そんな男がなぜここにいるのだ。
「それは……あれだ。道がわかんなかったんだよ」
『お前……俺に対する嫌がらせか?』
「俺はお前みたいに方向音痴じゃないですー。海くんみたいに途中まで誰かに送ってもらわないとここまでこれないようなやつじゃないですー」
『天人よりも先にお前を殺した方が俺の精神衛生上にいいかもしれないな』
刀を右手に持ってゆらりと立つ海。そんな姿に必死に謝る銀時。
「悪かったっつの!だから座れ!まだふらついてんじゃねぇか」
『うるせぇ。まだやることあんだろが』
「お前はもう動くな。左肩からどんだけ血が出てると思ってんだよ」
『これくらい猫に噛まれたようなもんだろ。問題ない』
「どんだけでけぇ猫だよ!猫というよりあれはクマだろ!」
いいから座れと右手を引っ張られる。眉間に皺を寄せつつ腰を下ろせば、ほっとした顔で笑う銀時。
『話がそれてる。なんでお前がここにいるんだって俺は聞いたよな?』
「あ?あー……たまたま近くを通ったからだよ」
そう言って顔を背ける銀時を睨む。
『何がたまたま通っただけだクソが。ここを通るわけがねぇだろが!ふざけたこと抜かしやがって!』
「痛い!痛いって!お前ほんとにそれで怪我人なの!?」
ガツガツ頭を殴られる銀時は涙目になっていた。
そのあと、海は無事に銀時と一緒に仲間の元へと戻ることが出来た。その日の奇襲はすべて上手くいき、仲間も減ることは無かった。
帰った後、怪我をした海を見て晋助と銀時が喧嘩を始めたのは言うまでもない。
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