ハチマキの危険度大
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煙に驚いて出てくる天人たち。いつ見てもこの顔は受け付けない。犬やらカエルやらと様々な動物の顔や、エイリアンらしい顔をしたやつらが部屋から飛びしてくるのを待ってから刀を抜いた。
『おはようございます。そして、さよなら』
無防備な奴らの首を次々と落としていく。
何人かは危険を察知して武器を持って出てきたが、桂の煙でやられた目では上手く海に合わせて武器を使うことが出来ない。
『これならなんとかいきそうだな』
40人ほどの死体が足元に転がる。ここまでものの数十分。まだ天人達は出てきているが、これならここの拠点を落とすのもそう時間はかからないだろう。
『残念だがお前たちはここで終わりだ!』
命乞いをする天人を後ろから切りつけ、前のめりになった首に刀をかけて引く。辺りに、自分の服に血がつこうがお構い無しに刀を振るい続けた。
『あとはあそこか』
未だ出てこない天人。煙玉は投げ入れたのだが、出てくる気配が全くない。確か、この拠点には多数の天人を率いている天人の親玉がいると桂が言っていた。
『親玉はあそこか。さすがに煙玉くらいでは出てこねぇか』
所詮子供だましのものではびくつかないのだろう。相手もそこまで頭は悪くないはずだ。
下っ端の天人を片付けた後、血のついた刀を振って払う。親玉がいる建物へと足を向けた時、扉が開いた。
「おまえか……我が同胞を殺したやつは」
『それはこっちのセリフだ。俺の仲間をよくも殺してくれたな』
「貴様ら人間が我らに刃向かったからであろう。我らとて同胞を殺された恨み。貴様の首で晴らさせてもらおう」
出てきたのは図体のでかいクマのような顔をした天人。海よりも1mほど背丈が高く、隆起した筋肉は着ている服がはち切れんばかりに主張している。
『はっ、俺の首がそう簡単に取れると思ってんのか?』
「あぁ。お前のような小童など恐るるに足らん」
そう言って天人は大振りの剣を海の元へと振り下ろす。
それを横に滑るように躱し、天人の懐へと潜り込む。まずは脇腹。スパッと斬られた箇所から勢いよく血が吹き出す。
斬られたのにも関わらず天人は体勢を崩すことも無く立っていた。先程と同じように縦に剣を振り下ろしてくる天人に海は『学習能力のねぇ、クマだな』と嘲笑いながら躱そうと身をひねる。
『がはっ!?』
「何度もそう同じ手は食らわん」
縦に振り下ろされようとしていた剣はすぐさま海が躱した方向へと刃を向けられる。すぐにそれを刀で防ぐが、力量の差があって近くの壁へと吹き飛ばされてしまった。
背中を強く打ち付けたことにより気管が潰されて一瞬息が出来ずに詰まる。その瞬間を狙って天人が再度剣を振りかざす。
『ックソ!』
「ほう……避けるか。小童よ」
右へ転がるようにして避ける。それでもギリギリだったのか、左肩から血が吹き出すように流れていた。
左腕に力を込めようならば激痛が走る。刀を地面に刺してなんとかバランスを保ちながらその場に立っているが、一瞬でも気が緩めば座り込んでしまうほど足に力が入らない。
大量出血による貧血だった。
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