第二幕
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「邪魔したな」
店主に一言残して銀時は店の戸を閉める。
昼頃に依頼の電話を受けてからというもののずっと歩き回っていた。
「ここも空振りか。てっきり売り飛ばされてると思ったんだが。金目当てじゃねぇってことは……」
銀時が探しているのは妖刀紅桜。その刀を手にしたものは誰一人残らず不幸な目に遭うと刀鍛冶である鉄矢が言っていた。
盗まれてしまった紅桜が悪用されてしまう前に取り戻して欲しいというのが今回の依頼。頼まれてしまっては仕方ないと思って探し回っているのだが、これまたそう簡単に見つかるものでもなかった。
「捜し物ですかい?旦那」
ゲッ。と言いたくなるのを抑える。目の前にいたのは見覚えのある顔。
確か海とよく一緒にいるヤツ。
「仕事だよ仕事。お前らとは関係ねえからほっといてくれ」
海がいたなら世間話でもと思ったが、栗頭一人なのであれば話に付き合う必要は無い。というか出来れば関わりたくない。
「そいつはお忙しいところ失礼しやした」
このままどっか行ってくれと思いながら歩を進めたのだが、相手は喋りたくて仕方ないらしい。
「最近、ここいらでは辻斬りが流行ってましてね」
「あ……」
「まあ、出会ったヤツはみんな斬られちまってんだが、遠目から見たヤツがいるらしくてね。そいつの持ってる刀が刀というより生き物みたいだったそうでさぁ」
「そ……そいつは……さっきそこで聞いた」
先程同じ内容を店主から聞いている。なんだかここら辺も物騒になってきたなと感じつつ、まさかその辻斬りが紅桜を使ってるんじゃないかと考えていた。
ほら新しいものを持ったらすぐ使いたくなるじゃん。
「それで?その辻斬りがどうしたって?」
「いえ、何となく話してみただけです」
「なんだそれ。俺はお前らと違って暇じゃないんだよ。暇つぶしすんなら他んとこいけよ」
「そうしたいのは山々なんですけどね。あっちこっち忙しく動いてるみたいで相手してくれないんですよ」
「あっそ。お前も警察の端くれなら辻斬りの犯人捕まえるのに頑張ったら?」
こんなところをふらふらしてるくらいなら早く捕まえて欲しい。そしたらどこぞの仕事バカの負担が減るから。
「心配じゃないんですかい?」
「何が?」
「海さんのこと」
「なんで?」
「辻斬りに殺られないか」
「あいつが辻斬りなんかに殺られるたまかよ。むしろその辻斬りの方が危ねぇだろ」
海を襲ったところでやり返されるのが落ちだ。生きてる状態で見つかればいいが、海の逆鱗に触れるようなことをすれば息の根を止められるかもしれない。
「(そういえば最近会ってねぇな)」
最後に会ったのはいつだったか。
「どうせどっかで会うだろ」
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