第二幕
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『ただいま戻りました』
「おう!お帰り海!」
「お帰りなさい、海くん」
屯所の庭でミントンしている山崎と未だに全裸で素振りをしている近藤に迎えられ、引きつった笑みを浮かべながら言葉を返す。
『ただいま……近藤さんいい加減服きたらどうよ』
「なんか気持ちよくてな!一糸まとわぬ姿は清々しいぞ!」
『恥は纏え。恥は』
「丁度良かったよ。海くん今日の夜の巡回頼んでもいいかな?」
『何が丁度いいのかわかんねぇんだけど。ミントンの途中で巡回頼むのが丁度いいのかよ』
ラケットを振りながら山崎は今日から始まる夜の巡回メンバーを一人ずつあげていく。時間もしっかりと決められていて、海が出るのは日付が変わる頃だった。
「遅くなっちゃうけど大丈夫?」
『大丈夫だろ。辻斬りだって夜中に出るんだからその時間帯に行かなきゃ意味が無い』
「そうだけど……無理はしなくていいからね?あと見回りは一人で行かないこと!」
『はいはい。相棒は誰になるんだ?』
「今のところは副長になってるんだけど、さっき出かけちゃったみたいで」
『あ、そう。わかった。時間になったら声かけてみる』
「そうしてもらえると助かるよ」
リスト表を見ながら器用にラケットを振る山崎に曖昧な返事をして部屋へと戻る。
上着を床へと放り投げ、ドサッと寝転んだ。
『辻斬り、赤く光る不気味な刀、桂の消息、晋助のクーデター』
一度に色んなことが起きすぎて整理するのに時間が掛かってしまう。
まずは目先のことからなんとかしなければ。
『辻斬りの持ってる刀が生き物みたいだった、ってのがなぁ。赤く光ってたまでならなんとか理解できそうなものだけど』
無機物である刀が生きているように見えるとは一体どういうことなんだ。これまで色んな武器を見てきたけど、生き物と思えるような物は見たことがない。
詳細を知りたくても目撃者はあの奥さんのみで、他の人からの情報は皆無に等しい。
『刀が生き物に見えるような……』
そんな細工を誰が施すというんだ。
その後も色々と考えてみたけれど、やはりこれといった答えは見つからなかった。
考えているうちに疲れてきてしまい、いつの間にか眠りこけていた。
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