第二幕
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『それで?いつから桂がいなくなったんだ?』
ところ変わって海たちは別の橋の上に来ていた。
"数日前。辻斬りが出るって話が出たころに"
『こいつ喋れねぇのかよ』
「らしいです。いつも看板使って話してるんですけど……」
桂のペットであるエリザベスは潤んだ目で必死に桂を探して欲しいと懇願してきた。一応、友人ではあるから探すのに手を貸すと言ったものの、桂が行方不明になった原因は分からない。
『桂が辻斬りにやられたかもしれないって言うのか?』
海の問いにエリザベスはこくりと頷く。
『まさか』
そんな簡単にやられるような男ではない。何十人、何百人という天人を相手した男だ。辻斬りを返り討ちにすることはあっても殺られることはないはず。
そんな海の前にエリザベスは口の中からあるものを取り出した。それは血まみれの小物入れ。
「エリザベス、それって……」
"桂さんの私物"
べっとりとついている血の量からしてこれの持ち主は大怪我を負っているのは間違いない。
『あの桂がねぇ』
たかが辻斬りにここまでやられるとは。
それともその辻斬りはただの辻斬りでないとしたら。
『(桂を倒すほどの実力者。または……)』
"まるで刀が生き物みたいだったのよ"
辻斬りが使っている刀に何かしらの仕掛けがあったならば。
「何か分かったんですか?」
『まったく。これだけのもんじゃわかんねぇよ』
パズルのピースだけが集まるだけで、答えはまだ見つからない。一度一から考え直した方がいいだろう。
『それより新八、神楽。銀時はどうした』
「銀さんなら仕事に行きましたよ。本当に仕事に行ったのかは分かりませんけど」
冷めた目で吐き捨てた新八とムッとした顔の神楽。どうやらエリザベスの頼みを無視して出ていったらしく、二人はそんな銀時に怒っていた。
『どこに行ったかまでは分からない感じか』
「誰かから電話が来てたのは覚えてますけど、どこに行ったかまでは。何か用があったんですか?」
『そんなに大したもんじゃないから。銀時が側に居ないならお前ら気をつけろよ?』
「え?何をですか?」
『辻斬り。今までは浪人を襲っていたが、これからもずっと変わらないということもないだろ。今日は早めに帰るようにしろ』
浪人だけでは飽き足らず、誰彼構わず人を殺めるかもしれない。銀時という保護者が近くにいないのであれば迂闊に出歩くなと忠告し、海は屯所へと帰ることにした。
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