第二幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
街中で聞き込みをした結果、犯人に繋がるようなものは何も得られなかった。
普通の人ならば警告を出された時点で外出を控える。それが仇となってしまったのか、誰一人として犯人の顔を目撃していなかった。
『これはめんどくせぇな。夜の巡回を増やしたら辻斬りもそう簡単に出てこなくなるだろ』
今回の事件があった場所を眺めながら大きなため息をつく。犯人の特徴さえ掴むことが出来ればある程度絞れるのだが、それすらも分からないとなるとお手上げの状態。
唯一住民が言っていたことがあったが、その意味もよくわからない。
"夜に何かが赤く光ったのよ。気になって見てみたんだけど、よく分からなくてね。でも、とても不気味だったわ。なんだか……"
『赤く光る生き物、ね』
橋の近くに住んでいたおばさんは怯えながら話をしてくれたのは理解に苦しむ内容。
夜、戸締りをしていた時に微かに見えた光。たった一瞬の出来事だったらしいが、不思議に思った奥さんはこっそり窓を開けて確認した。その先に見えたのが赤い生き物。刀の形をしているのは見えたが、あまりにも不気味だったため慌てて窓を閉めて寝てしまったと。
『赤く光る刀か』
辻斬りとその刀が関係しているのは確かだろう。奥さんが刀を見た場所と斬られた浪人がいた場所は合致しているのだから。
ただ、刀が光るなんてことがあるのだろうか。しかも生き物のようだったなんてことが。
『光の反射、なんてもんじゃなさそうだしな』
奥さんのあの怯え具合から察するにこの世のものとは思えない代物だったのだろう。
『どうしたものか』
「あれ?海さん?」
八方塞がりな考えに頭を悩ませていた時、ふと新八の声が聞こえた。
『新八?何してるんだこんなところで』
新八と神楽、そしてその横には何故かエリザベスの姿もあった。
「その……実は……」
「ヅラが行方不明になったアル」
『は?あいつが?』
頷く子供らとどこか寂しげなエリザベス。
『……神社の下とか見たのか』
「いや、あの桂さん猫じゃないんで」
人が入れるスペースがあればあいつはどこにでもいるぞ。そう言った海に新八は呆れた顔をした。
.