第一幕
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「何?高杉が?」
「ああ、間違いない。監察が入手した確かな情報だ」
「あの高杉がまた江戸に……」
屯所の庭に集まったのは真選組トップスリー。そしてたまたま書類を持ってきていた海。
"高杉"という名前が聞こえ、海は書類を確認していた手を止めた。
「高杉かー……確か前回は見事にやられやしたっけ」
「お前がなっがい便所にいってたせいでな!」
「あれ?おっかしいなー。その論法でいくと真面目に働いてたどこぞのマヨラーは俺以上に無能ってことになりやしませんかい?」
また始まった。近くで刀が抜かれる音が聞こえた海は小さく嘆息を漏らす。
この二人は仲がいいのか悪いのかわからない。犬猿の仲ということでもなければ、親友というわけでもない。
『(まるで……)』
銀時と晋助のようだ。
「トシ、やめとけ」
総悟と土方の仲裁に入ったのは局長である近藤。こんなことは日常茶飯事なので、彼も一々驚くことはない。
「攘夷浪士の中で最も過激で危険な男、高杉晋助。ウワサじゃヤツはあの鬼兵隊を復活させたらしい」
「鬼兵隊?攘夷戦争のときに高杉が率いていた義勇軍のことか」
「ああ。文字通り鬼のように強かったって話だがな」
晋助の指示の元で動いていた鬼兵隊はとても統率が取れていた。銀時や辰馬の隊と違って規律を重んじていたからだ。
『(隊のヤツらが強かったってのもあるけど、隙が生まれることのないように足並み揃えてたってのもあるんだよな)』
乱戦状態だった中でも鬼兵隊は隊列を乱すことは無かった。それは晋助が綿密な作戦を考えていたから出来たことだ。
晋助は海たちの中で一番兵法に長けていた。
そのせいで今、彼は指名手配されている。
「だが、今更そんなもん作って一体何をするつもりだ」
「恐らく強力な武装集団を作り、クーデターを起こすのがヤツの狙い。近藤さん、あいつは危険だ」
「分かった。トシ、やつらの情報を集めるのに全力を尽くしてくれ」
「了解だ。それから近藤さん。素振りは全裸じゃなくてもいいんじゃねぇか?」
「海さん、見てくださいよ。近藤さんのケツ毛」
『今俺は書類を見るので忙しい』
「そんなの後でも出来るじゃないですか」
誰がおっさんのケツを見たいと思うか。
書類のチェックをし始めた海の側に来た総悟はしつこく近藤のケツを見ろと声をかけてくるが、ひたすら無視を貫いた。
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