第五幕
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「本当のこと話に来てくれたんだろ?この期に及んで妖刀なんて言い方で誤魔化すなんてのはなしだぜ。ありゃなんだ?誰が作ったあのバケモン」
万事屋に来たのは銀時に依頼をした人物の妹。鉄子と名乗った彼女は銀時に回収を頼んだ刀の詳細を語り始める。
「紅桜とは……父が打った紅桜をひな型に作られた対戦艦用からくり機動兵器。電魄と呼ばれる人口知能を有し、使用者に寄生することでその体をも操る。戦闘の経緯をデータ化し学習を積むことでその能力を向上させていく。まさに生きた刀」
『辻斬りの理由がそれか』
「新しい刀手に入れて浮かれてた、ってわけじゃねぇみてえだな」
戦闘データを集めるために似蔵は浪人たちを襲っていた。普通の人を斬っても得られるものがないからそうしたのだろう。
『じゃあ、桂は……』
「アイツが斬りやがった」
銀時は恨みがましく呟く。
「わざわざヅラの髪を斬って見せてきたからな」
『……でも、桂は見つかってないだろ……まだ、』
死んだと確定したわけじゃない。それでも嫌な考えが頭の中でグルグルと回る。
「そんな簡単に死ぬやつじゃねぇよ」
だから安心しろと銀時は海の頭に手を乗せて優しく撫でた。
「あんなもんを作れるのは江戸には一人しかいない。頼む……兄者を止めてくれ。連中は……高杉は紅桜を使って江戸を火の海にするつもりなんだ」
「で?俺はさしずめその兄ちゃんにだしに使われちまったわけだ。妖刀を捜せってのも要はその妖刀に俺の血を吸わせるためだったんだろ?それとも俺に恨みをもつ似蔵に頼まれたのか……いや、その両方か。それで今更兄ちゃんをなんとかしてくれって、お前のツラの皮はジャンプスクエア?」
銀時がここまで言うのはもっともだ。依頼だと思っていたのが実は利用されていましたではシャレにならないだろう。
それに……。
『止めるのは難しいんじゃないか?あの刀には学習能力が備わってるんだよな?』
確認のために鉄子に聞くと、無言で深く頷く。
『なら厄介だな。銀時との戦闘を学習し、その後に俺と一戦交えてる』
「あ……」
意味がわかった銀時はハッと目を見開く。
『銀時、お前俺に勝てるか?』
「……無理だ」
銀時は刀を用いた手合わせで一度も海に勝てたことがない。本気でやり合ったことは一度もないから確証はないが。
『あの刀を止められるのは……』
海の動きを熟知している者だけとなる。
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