第四幕
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『銀時のことお願いします』
「ええ。しっかり見張っておくわ」
にこりと笑うお妙は薙刀を手にしている。銀時が出ていかないように見張っていてくれるとは言っていたが、この人は見張るだけでは済まなさそうだ。
「ねぇ、海くん」
『なんです?』
「私がいるよりも、銀さんは海くんにいてもらった方がいいんじゃない?」
『俺が?』
「うん。だってお友達なんでしょう?」
『それはお妙さんだって同じ立場じゃないのか?』
友達だから側にいてほしい。それなら自分とお妙は変わらないはずだ。それに男の自分がそばに居るよりもお妙の方が良いような気がした。
『俺よりお妙さんの方が良いと思うけどな』
「あら、それは誤解よ。銀さんは海くんの方がいいと思うわよ」
『なんで……』
「だってほら」
そう言ってお妙は寝室の方を指差す。そこには荒い息を吐きながら立っている銀時。
「待てって言ってんのが分かんねぇのかバカ」
『バカはお前だろ』
そんな身体でどこに行こうと言うんだ。さっきまで白かった包帯には赤く血が滲んでいる。そんな身体で動き回れば治りが遅くなってしまう。
『大人しく寝てろ。どれだけの傷を負ってると思ってんだよ』
「大人しく寝てられるかよ……お前……いくつもりだろ」
どこに。と言わなくても分かる。屯所に顔を出したあと、海は晋助の所へいくつもりだった。辻斬りの犯人を捕まえるというのもあるが、晋助の企みを阻止しなければならない。
それは海の義務だと思っているから。
『だったらなんだ。お前、俺が誰か忘れてないか?江戸の治安を守る警察だということを』
「そんなの知らねぇよ。久しぶりに会ったかと思えば、よくわかんねぇ所にいて……警察だ?真選組だ?んなもん知ったこっちゃねぇ!」
なんでこんなに銀時が怒っているのかまったく分からない。むしろ怒りたいのはこっちの方だ。満身創痍の状態でフラフラと動き回られるのは困る。
「お前は何も知らねぇから……!」
『それはどういう意味だよ』
海は普通に言ったつもりだったが、銀時やお妙は普通ではなかったらしい。やってしまったと顔を青ざめる銀時と、恐ろしいものを見る目をしているお妙。
何も知らないくせに出しゃばるなどでも銀時は言いたかったのだろう。海は途中で居なくなった人間だから。
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