第四幕
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「はっ……」
全て夢だと気づいたのはすぐだった。見ていたもの全て銀時の夢であって現実ではない。それでも後、海がどうなってしまうのか知りたかった。
『起きたか』
「海……」
『動くな。怪我、してるんだから』
どこか泣きそうな顔で海は呟く。
「お前は、大丈夫なのかよ」
『銀時が庇ってくれたおかげでな』
そう言って海は目を逸らす。その意味が理解出来なかった。
背中の痛みを感じるまでは。
「っ……!」
『だから動くなって言ってるだろ!似蔵とのやり合いで怪我んしてんの忘れたのかよ。それにお前……』
「海庇って背中斬られたこと今思い出したわ」
海は銀時の言葉に悔しそうな表情を浮かべる。その目にはうっすらと涙が溜まっているように見えた。
『悪い。俺のせいで』
「何言ってんだよ。海がいなかったらもっと酷かったかもしんねぇだろ?」
『でも、最後まで守りきれなかった』
「そんなことねぇよ。お前が来てくれて助かった」
『だけど!』
「海。俺はアイツに襲われたのが俺でよかったと思うよ」
『なんで、そんなこと……』
「お前にあんなのとやり合わせたくない。と言っても、やっちまったんだけどな俺のせいで」
あの刀は異質だ。以前、似蔵とやり合った時はあんなではなかった。刀が変わっただけであんなにも力が増すのかと思ったが、そんなレベルの話でもない。
正直、死ぬと思った。
「海、もう関わるな」
これ以上関わって欲しくない。紅桜にも高杉にも。
『それは出来ない。辻斬りの犯人を見つけた以上、捕まえなくてはならないし。それに……』
高杉が裏で動いているのであれば止めなくてはならない。海は苦しげに呟いた。
「(あのバカは海がどんな思いしてると思ってんだよ)」
海は警察の人間であり、指名手配されている高杉は逮捕の対象。友人をその手で捕まえなくてはいけない苦痛ははかりしれないだろう。
こればっかしは銀時もフォローすることは出来なかった。
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