第四幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
酷く懐かしい夢を見た。子供の頃の優しい記憶。先生と慕った人に手を伸ばされ、銀時はその手を掴もうとした。
もう少しで手が届くと思った時、視界は一変。
暗い空に冷たい雨。そして視界いっぱいの死体。生きている人間を探す方が難しいと思うほど、地面は死んだ人間で埋め尽くされていた。
その中に見知った顔もいる。昨日まで生きていて、馬鹿な話に付き合わせて笑い会っていたやつ。背中を任せて共に戦った者もいる。
だが、全員等しく物言わぬ骸として横たわっていた。
たった一人、銀時はその場に立ち尽くして。
「銀時」
不意に名前を呼ばれて振り返る。後ろには今の高杉の姿。
「てめえには聞こえねぇのか?この声が」
二人だけの場所。銀時と高杉を照らすように光が差している空間。
「俺には聞こえるぜ。俺の中には未だに黒い獣がのたうち回っているんでな」
高杉と似蔵の姿が被る。もはや銀時にはどちらの姿にも見えた。
刀を手にして銀時へと走ってくる高杉。
『おい、しっかりしろ』
腹へと刀が刺さる、というところで黒いものが視界を覆った。真っ黒なそれは銀時を庇うようにして立ち、高杉の刀を己の刀で受け止めている。
『まったく……』
呆れ混じりのため息を零しながら海は受け止めた刀を振り払う。
その時に見えた海の目はいつもの優しげな目なんかじゃなかった。
「(待て、海……ダメだ)」
『やるならさっさとやるぞ。こちとら仕事が溜まってるんだ』
高杉に刀を向ける海は愉しげに笑う。
狂気を孕んだ瞳でただまっすぐ高杉だけを見ていた。
「(やめろ、海!)」
海に声をかけたくてもかけられない。銀時はその場で見ていることしか出来なかった。
『そこにいろ、銀時』
そう言って海は高杉の元へと走り出す。
「(海!!)」
.