【探偵】その絵本作家は純朴である
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連絡手段は、頭の回転は人並みな俺に合わせた暗号文。
それによるともうすぐ現れるはずの彼を迎い入れるために、お湯を準備していると玄関先で物音がした。
廊下から顔を出し、ガチャリと鍵を閉める背中に声を掛ける。
「こんばんは、元気そうだね!高尾ちゃん。」
「こんばんは…って、お前なー!いつも鍵は閉めておけって言ってるだろ?!」
悪い奴が入ってきたらどうする!と、高尾ちゃんは念入りに戸締りを確認している。
高尾ちゃんを今日も怒らせてしまった。
怒らせる気はないんだけど、まぁ忘れちゃうんだよね。
出かけるときは一応鍵掛けるけど、家にいるときは良いかなって。
他の部屋に盗聴器の類いがないことも確認し終えた高尾ちゃんは、やっとソファーに座ったかと思うと、俺が注いだお茶を一気飲みした。
「…はぁ、あのなぁ、悪い奴、強盗とかが来たらどうする!」
「その時は高尾ちゃんが助けてくれるでしょ?」
「んな!!…するけど!するけども!その前にやられてたら俺でも助けられないぞ!」
いいか、この街での犯罪件数の内だな…
あちゃー、高尾ちゃんのこの手の話長いんだよな。
ぷんぷんしている高尾ちゃんを宥めつつ、コントローラーを渡す。
「とりあえず、拳で語り合おうぜぇ?」
「…対戦ゲームで、な!」
負けたらとことん説教だ、なんて言われたら負けられないな。
ドカンバコンと対戦ゲームの音が部屋に響く。
ときたま高尾ちゃんの「うぉっ」や「このっ」など叫び声が上がるが、真夜中にゲームをするために防音設備が整ったマンションを借りたので、多少の声や音は問題ではない。
まぁ、秘密裏の会話なんかも、だ。盗聴器関係は、さっきみたいに高尾ちゃんに毎回調べて貰っているしね。
「ところで、俺が頼んでた件ってどうなったかな?」
「今のところ8割ってところだ。後は本人にも協力がないとな。」
「だよねぇ。多分、そのままお願いすることになりそうだよ。」
smasssh!!と、ゲームのキャラが必殺技を決めて試合終了。
俺のキャラが喜んでいるのを見て、悔しそうに画面を睨む高尾ちゃん。
ふふん、伊達に時間をこのゲームに割いてないぞ。負けてたまるかってんだ。
も、もう一試合…と言わんばかりにこちらを見る高尾ちゃん。
「よしきた。」
高尾ちゃんは、ボタンを押すと同時に攻撃をしかけてきた。
こいつ…さっきの俺の技を見て活用してきている…!!
でも、そうこなくっちゃ!!!楽しくないからな!!!
「そういえば、あいつらから『先生』って呼ばれてるんだって?」
「んー、なんか絵本作家というのと、尊敬の念だとかなんとか。」
「なるほどなー。じゃあ俺も『先生』って呼ばないとな!」
なんと言っても命の恩人だしな!
そう言いながら必殺技で勝利をもぎ取る高尾ちゃん。
命の恩人?
「むしろ高尾ちゃんが命の恩人だろ?」
「じゃあ、俺が『先生』か?」
「その通りですよ、せんせー?」
しばし見つめあった後、ちょっと恥ずかしくなってワハハと笑ってしまった。
そもそも高尾ちゃんと出会ったのは数年前のある日。
俺はしがない絵本作家!ある日、一人で廃ビルにこっそり入って、屋上でラジコンを飛ばして遊んでいたが、突然の突風にラジコンが吹っ飛ばされた!
ビルから落ちれば周りの通行人に危害が及ぶ!
思わずビルの手すりに寄りかかり、手を伸ばしてラジコンを掴んだ。
ほっと息つく暇も無く、鈍く軋む音に恐る恐る下を見ると、錆により劣化した手すりが破壊寸前!天国へのカウントダウンを始めていた。レッツゴートゥーザヘブン!
結構重量のあるラジコンを掴んでいるため体勢も立て直せそうにない。
あわやゲームオーバーかと思ったとき、目の前のビルに人がいることに気付いた。
命の危機に恥も外聞もあるか!
「そこの人!!!俺落ちる!!!助けてえ!!!!」
「「はっ!?」」
いやあ、あの時は流石に死ぬかと思ったね。
ラジコンを向かいのビルの屋上へぶん投げ、己も飛ぶ。
手すりを掴み損ねたおれの片手を、身を乗り出して掴んでくれた高尾ちゃんは、まさに命の恩人。
さらにおれごと落ちそうな高尾ちゃんを、ずっと掴んでいてくれた黒髪の青年と、
後から駆けつけてきて、全員引っ張り上げた力持ちの金髪の青年、みんな俺の命の恩人だわ!
何かあの時もめてたみたいだけど、俺は生き延びた喜びから、神という神に、センキュー彼らに感謝しますと祈ることに必死で聞いてなかった。
しかし、きちんとお礼を言う前にいなくなっていたから、お礼を言いたいんだけど、生憎、顔を覚えてないんだよね…。
何でか、高尾ちゃん会わせてくれないし…。
「後日、高尾ちゃんが公安さんって聞いて、ひっくり返るかと思った。」
「俺は、唐突に訪問してきた男をすぐに家に上げて、二つ返事で協力者になったことに驚いたけどな。」
だって、命の恩人が正義の味方だよ?協力しないわけないよねぇ。
以前そう言ったら、髪の毛をくっしゃくしゃの混ぜ込みおむすびさんにされたので、言ってやんないけどね!
それによるともうすぐ現れるはずの彼を迎い入れるために、お湯を準備していると玄関先で物音がした。
廊下から顔を出し、ガチャリと鍵を閉める背中に声を掛ける。
「こんばんは、元気そうだね!高尾ちゃん。」
「こんばんは…って、お前なー!いつも鍵は閉めておけって言ってるだろ?!」
悪い奴が入ってきたらどうする!と、高尾ちゃんは念入りに戸締りを確認している。
高尾ちゃんを今日も怒らせてしまった。
怒らせる気はないんだけど、まぁ忘れちゃうんだよね。
出かけるときは一応鍵掛けるけど、家にいるときは良いかなって。
他の部屋に盗聴器の類いがないことも確認し終えた高尾ちゃんは、やっとソファーに座ったかと思うと、俺が注いだお茶を一気飲みした。
「…はぁ、あのなぁ、悪い奴、強盗とかが来たらどうする!」
「その時は高尾ちゃんが助けてくれるでしょ?」
「んな!!…するけど!するけども!その前にやられてたら俺でも助けられないぞ!」
いいか、この街での犯罪件数の内だな…
あちゃー、高尾ちゃんのこの手の話長いんだよな。
ぷんぷんしている高尾ちゃんを宥めつつ、コントローラーを渡す。
「とりあえず、拳で語り合おうぜぇ?」
「…対戦ゲームで、な!」
負けたらとことん説教だ、なんて言われたら負けられないな。
ドカンバコンと対戦ゲームの音が部屋に響く。
ときたま高尾ちゃんの「うぉっ」や「このっ」など叫び声が上がるが、真夜中にゲームをするために防音設備が整ったマンションを借りたので、多少の声や音は問題ではない。
まぁ、秘密裏の会話なんかも、だ。盗聴器関係は、さっきみたいに高尾ちゃんに毎回調べて貰っているしね。
「ところで、俺が頼んでた件ってどうなったかな?」
「今のところ8割ってところだ。後は本人にも協力がないとな。」
「だよねぇ。多分、そのままお願いすることになりそうだよ。」
smasssh!!と、ゲームのキャラが必殺技を決めて試合終了。
俺のキャラが喜んでいるのを見て、悔しそうに画面を睨む高尾ちゃん。
ふふん、伊達に時間をこのゲームに割いてないぞ。負けてたまるかってんだ。
も、もう一試合…と言わんばかりにこちらを見る高尾ちゃん。
「よしきた。」
高尾ちゃんは、ボタンを押すと同時に攻撃をしかけてきた。
こいつ…さっきの俺の技を見て活用してきている…!!
でも、そうこなくっちゃ!!!楽しくないからな!!!
「そういえば、あいつらから『先生』って呼ばれてるんだって?」
「んー、なんか絵本作家というのと、尊敬の念だとかなんとか。」
「なるほどなー。じゃあ俺も『先生』って呼ばないとな!」
なんと言っても命の恩人だしな!
そう言いながら必殺技で勝利をもぎ取る高尾ちゃん。
命の恩人?
「むしろ高尾ちゃんが命の恩人だろ?」
「じゃあ、俺が『先生』か?」
「その通りですよ、せんせー?」
しばし見つめあった後、ちょっと恥ずかしくなってワハハと笑ってしまった。
そもそも高尾ちゃんと出会ったのは数年前のある日。
俺はしがない絵本作家!ある日、一人で廃ビルにこっそり入って、屋上でラジコンを飛ばして遊んでいたが、突然の突風にラジコンが吹っ飛ばされた!
ビルから落ちれば周りの通行人に危害が及ぶ!
思わずビルの手すりに寄りかかり、手を伸ばしてラジコンを掴んだ。
ほっと息つく暇も無く、鈍く軋む音に恐る恐る下を見ると、錆により劣化した手すりが破壊寸前!天国へのカウントダウンを始めていた。レッツゴートゥーザヘブン!
結構重量のあるラジコンを掴んでいるため体勢も立て直せそうにない。
あわやゲームオーバーかと思ったとき、目の前のビルに人がいることに気付いた。
命の危機に恥も外聞もあるか!
「そこの人!!!俺落ちる!!!助けてえ!!!!」
「「はっ!?」」
いやあ、あの時は流石に死ぬかと思ったね。
ラジコンを向かいのビルの屋上へぶん投げ、己も飛ぶ。
手すりを掴み損ねたおれの片手を、身を乗り出して掴んでくれた高尾ちゃんは、まさに命の恩人。
さらにおれごと落ちそうな高尾ちゃんを、ずっと掴んでいてくれた黒髪の青年と、
後から駆けつけてきて、全員引っ張り上げた力持ちの金髪の青年、みんな俺の命の恩人だわ!
何かあの時もめてたみたいだけど、俺は生き延びた喜びから、神という神に、センキュー彼らに感謝しますと祈ることに必死で聞いてなかった。
しかし、きちんとお礼を言う前にいなくなっていたから、お礼を言いたいんだけど、生憎、顔を覚えてないんだよね…。
何でか、高尾ちゃん会わせてくれないし…。
「後日、高尾ちゃんが公安さんって聞いて、ひっくり返るかと思った。」
「俺は、唐突に訪問してきた男をすぐに家に上げて、二つ返事で協力者になったことに驚いたけどな。」
だって、命の恩人が正義の味方だよ?協力しないわけないよねぇ。
以前そう言ったら、髪の毛をくっしゃくしゃの混ぜ込みおむすびさんにされたので、言ってやんないけどね!