騙しきれない悪いオトナ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
季節は夏、都会から少し離れた海の見える場所で315プロダクションのアイドルたちは、初のユニット合同ライブの為に合宿練習をしていた。
「そうそう、今日から新しく一人参加する方がいます」
いつもの優しい笑顔で告げるプロデューサーに、アイドルたちは様々な表情で返した。
「え?まだいるんスか?!」
「かっこいい系?可愛い系?」
「何歳だろ?」
一番に騒いだのはHigh×Jokerのメンバー。それにつられてBeitが混ざる。
「やふー!新しい仲間、嬉しい!仲良くしたい!」
「そうだね、ピエール」
「どんな奴なんだろうな」
大人組のS.E.MやJupiterは、遠巻きにはしゃぐ面々を見る。
「おーおー…さっきまであんなにバテてたのに…元気だねぇ」
「転校生みたいで、嬉しいのだろう」
「Oh!That’s a good analogy!俺も楽しみ!」
「ここからまた人数が増えるのか…」
「はは、大所帯になってきたな」
「僕としてはダンスの上手な子だと、楽出来ていいんだけど」
皆が様々な反応をする中で、プロデューサーは腕時計を見て入り口の方に目線を動かす。
「そろそろ着く頃ですが…」
そう呟いた瞬間、ドアが音を立てて勢いよく開いた。
『!?』
全員が音に驚いて、目線を音がした方へと動かすとそこには、明るいハニーブラウンの髪を靡かせ、ニンマリと不敵に笑う女の子。
「315プロダクション社長、斉藤孝司が娘!斎藤奈菜推参!」
「………また濃いのが…」
ぽつりと、薫が呟いた。
「自己紹介の通り、彼女は社長の娘さんでこれから皆さんのマネージャーとなります」
「よろしくお願いします!」
『マネージャー?』
「スケジュール管理や皆さんの細かなケアを彼女に任せる予定です」
「なるほど、それは合理的だな」
「でも一人でこの人数を見るのは大変じゃないかい?」
最初に疑問をぶつけたのは芸能界に長く携わっていた伊集院北斗。
彼の言うことは最もで、およそ一人で見れる人数ではない。
しかしそれは常人であれば、の話である。
「自慢ではありませんが、以前大型グループのマネージャーもしていた経験があるので大丈夫ですよ」
彼女はそう言ってニコリと笑った。その風貌は少し幼く、高校生ぐらいに見える。
社長の娘というし、バイトで入ったのだろうかとみのりは考える。
「もちろん奈菜さん一人には任せず、私も変わらず行っていきます。Jupiter、S.E.M、Beitの皆さんを彼女に引き継ぐ予定です」
「俺ら?」
プロデューサーの言葉が心に響いてこの事務所に入った冬馬は、少し納得がいかなくて怪訝そうな顔をして、彼女を睨むように見つめる。
「あら、何かご不満かしら?Jupiterの天ヶ瀬冬馬くん?」
「俺はアンタの言葉を信じてこの事務所に入ったんだ、後から来た奴にそう偉い顔されんのは気分が悪いな」
「ふぅん?」
横にいる北斗が冬馬を諫めるように呼び、翔太はまた始まったと呆れ顔である。
「じゃあ天ヶ瀬冬馬くんはどんなマネージャーなら納得してもらえるのかしら」
「そうだな…」
彼女の隣に立つプロデューサーが慌てた声で名前を呼ぶが、彼女は気にすることも無く、まっすぐに冬馬を見つめる。
少し離れたところで見つめる翼や輝も一緒になって慌てだし、止めようかと足を踏み出そうとした時、冬馬が口を開いた。
「俺らの『BRAND NEW FIELD』、踊ってもらおうか」
「は!?冬馬くん何言っちゃってんの?!」
「冬馬、無理を言うなよ」
「いいわよ」
しれっと彼女は告げる。なんだそんな事かと言わんばかりのつまんなそうな顔をして。
「奈菜さん、冬馬さんも仲良く…」
「いいでしょプロデューサー?こっちの方がわかりやすくて」
「…わかりました、では音源取ってきますね」
プロデューサーも諦めて、CD音源を取りに行った。
「これ!やばくないっスかぁ!超やば展開っス!」
「ちょっと四季くん!いきなり大声出さないでください!」
「何か少年漫画みたいだな享介!」
「何のんきなこと言ってるんだよ悠介」
「何だかExcitingしてきたよミスター硲!」
「雨降って地固まる、とも言うからこれは見守った方がいいのだろう」
「と、止めなくて大丈夫でしょうか」
「くだらない…そもそも俺たちには関係の無いことだろう」
周りが騒がしくなってきたところでプロデューサーが練習で使っていたプレイヤーとCD音源を持ってきた。
彼女はそれを受け取り、皆から少し離れたところにプレイヤーをセッティングしてポーズを取る。
それを見て邪魔にならないよう移動する冬馬が一瞬見た彼女の表情にゾッとした。
纏う雰囲気が一瞬にして変わった。今まで余裕そうな笑みを浮かべていた彼女ではない。
そして音楽が流れ始める。その瞬間、全員が彼女を見た。
「Brand new field
キミを今(In mind)連れてゆくよ
ミライは待ってる
僕らが描く 新たなキセキ
Go! Future 振り向かないで All right!
(感じて All the time)
Go! Delight キラめいてく
Keep on! Keep on! Keep on! Keep on!
Trying! Trying! Trying! Trying!
(Just now!!)」
全員の目が見開かれる。冬馬は踊って見せろと言っただけなのにも関わらず、彼女は大きな音量のCD音源にも負けない声量で歌い出した。
しかもダンスも完璧にコピーしている。
この場を去ろうとしていた薫ですら、その歌声とダンスに魅入る。
綺麗で伸びる歌声、指の先まで神経が研ぎ澄まされたキレのあるダンス。
冬馬はこれを見た上で文句を言う気どころか、きらきらとした目で彼女を見つめていた。
1番が終わると、彼女は軽く決めポーズをして音楽を止める。
「これで満足?」
「お前凄いな!」
「冬馬くん、それよりも言う事あるんじゃないの?」
「うっ………悪かった」
「気にしなくていいよ、私も別に最初から仲良くやれると思ってなかったし」
あっけらかんと笑う彼女は、先ほどの不敵な笑みなどまるで幻のように見える。
「ということで、これからマネージャー兼ダンスの先生としてよろしくお願いします」
『え?』
プロデューサーの一言にアイドルたちは疑問符を飛ばし、彼女はまた不敵な笑みを浮かべる。
「ビシバシいくから覚悟しててね♪」
『えぇぇぇ!!!??』
「そうそう、今日から新しく一人参加する方がいます」
いつもの優しい笑顔で告げるプロデューサーに、アイドルたちは様々な表情で返した。
「え?まだいるんスか?!」
「かっこいい系?可愛い系?」
「何歳だろ?」
一番に騒いだのはHigh×Jokerのメンバー。それにつられてBeitが混ざる。
「やふー!新しい仲間、嬉しい!仲良くしたい!」
「そうだね、ピエール」
「どんな奴なんだろうな」
大人組のS.E.MやJupiterは、遠巻きにはしゃぐ面々を見る。
「おーおー…さっきまであんなにバテてたのに…元気だねぇ」
「転校生みたいで、嬉しいのだろう」
「Oh!That’s a good analogy!俺も楽しみ!」
「ここからまた人数が増えるのか…」
「はは、大所帯になってきたな」
「僕としてはダンスの上手な子だと、楽出来ていいんだけど」
皆が様々な反応をする中で、プロデューサーは腕時計を見て入り口の方に目線を動かす。
「そろそろ着く頃ですが…」
そう呟いた瞬間、ドアが音を立てて勢いよく開いた。
『!?』
全員が音に驚いて、目線を音がした方へと動かすとそこには、明るいハニーブラウンの髪を靡かせ、ニンマリと不敵に笑う女の子。
「315プロダクション社長、斉藤孝司が娘!斎藤奈菜推参!」
「………また濃いのが…」
ぽつりと、薫が呟いた。
「自己紹介の通り、彼女は社長の娘さんでこれから皆さんのマネージャーとなります」
「よろしくお願いします!」
『マネージャー?』
「スケジュール管理や皆さんの細かなケアを彼女に任せる予定です」
「なるほど、それは合理的だな」
「でも一人でこの人数を見るのは大変じゃないかい?」
最初に疑問をぶつけたのは芸能界に長く携わっていた伊集院北斗。
彼の言うことは最もで、およそ一人で見れる人数ではない。
しかしそれは常人であれば、の話である。
「自慢ではありませんが、以前大型グループのマネージャーもしていた経験があるので大丈夫ですよ」
彼女はそう言ってニコリと笑った。その風貌は少し幼く、高校生ぐらいに見える。
社長の娘というし、バイトで入ったのだろうかとみのりは考える。
「もちろん奈菜さん一人には任せず、私も変わらず行っていきます。Jupiter、S.E.M、Beitの皆さんを彼女に引き継ぐ予定です」
「俺ら?」
プロデューサーの言葉が心に響いてこの事務所に入った冬馬は、少し納得がいかなくて怪訝そうな顔をして、彼女を睨むように見つめる。
「あら、何かご不満かしら?Jupiterの天ヶ瀬冬馬くん?」
「俺はアンタの言葉を信じてこの事務所に入ったんだ、後から来た奴にそう偉い顔されんのは気分が悪いな」
「ふぅん?」
横にいる北斗が冬馬を諫めるように呼び、翔太はまた始まったと呆れ顔である。
「じゃあ天ヶ瀬冬馬くんはどんなマネージャーなら納得してもらえるのかしら」
「そうだな…」
彼女の隣に立つプロデューサーが慌てた声で名前を呼ぶが、彼女は気にすることも無く、まっすぐに冬馬を見つめる。
少し離れたところで見つめる翼や輝も一緒になって慌てだし、止めようかと足を踏み出そうとした時、冬馬が口を開いた。
「俺らの『BRAND NEW FIELD』、踊ってもらおうか」
「は!?冬馬くん何言っちゃってんの?!」
「冬馬、無理を言うなよ」
「いいわよ」
しれっと彼女は告げる。なんだそんな事かと言わんばかりのつまんなそうな顔をして。
「奈菜さん、冬馬さんも仲良く…」
「いいでしょプロデューサー?こっちの方がわかりやすくて」
「…わかりました、では音源取ってきますね」
プロデューサーも諦めて、CD音源を取りに行った。
「これ!やばくないっスかぁ!超やば展開っス!」
「ちょっと四季くん!いきなり大声出さないでください!」
「何か少年漫画みたいだな享介!」
「何のんきなこと言ってるんだよ悠介」
「何だかExcitingしてきたよミスター硲!」
「雨降って地固まる、とも言うからこれは見守った方がいいのだろう」
「と、止めなくて大丈夫でしょうか」
「くだらない…そもそも俺たちには関係の無いことだろう」
周りが騒がしくなってきたところでプロデューサーが練習で使っていたプレイヤーとCD音源を持ってきた。
彼女はそれを受け取り、皆から少し離れたところにプレイヤーをセッティングしてポーズを取る。
それを見て邪魔にならないよう移動する冬馬が一瞬見た彼女の表情にゾッとした。
纏う雰囲気が一瞬にして変わった。今まで余裕そうな笑みを浮かべていた彼女ではない。
そして音楽が流れ始める。その瞬間、全員が彼女を見た。
「Brand new field
キミを今(In mind)連れてゆくよ
ミライは待ってる
僕らが描く 新たなキセキ
Go! Future 振り向かないで All right!
(感じて All the time)
Go! Delight キラめいてく
Keep on! Keep on! Keep on! Keep on!
Trying! Trying! Trying! Trying!
(Just now!!)」
全員の目が見開かれる。冬馬は踊って見せろと言っただけなのにも関わらず、彼女は大きな音量のCD音源にも負けない声量で歌い出した。
しかもダンスも完璧にコピーしている。
この場を去ろうとしていた薫ですら、その歌声とダンスに魅入る。
綺麗で伸びる歌声、指の先まで神経が研ぎ澄まされたキレのあるダンス。
冬馬はこれを見た上で文句を言う気どころか、きらきらとした目で彼女を見つめていた。
1番が終わると、彼女は軽く決めポーズをして音楽を止める。
「これで満足?」
「お前凄いな!」
「冬馬くん、それよりも言う事あるんじゃないの?」
「うっ………悪かった」
「気にしなくていいよ、私も別に最初から仲良くやれると思ってなかったし」
あっけらかんと笑う彼女は、先ほどの不敵な笑みなどまるで幻のように見える。
「ということで、これからマネージャー兼ダンスの先生としてよろしくお願いします」
『え?』
プロデューサーの一言にアイドルたちは疑問符を飛ばし、彼女はまた不敵な笑みを浮かべる。
「ビシバシいくから覚悟しててね♪」
『えぇぇぇ!!!??』
1/2ページ