朝日奈家へ居候
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「観たことはあっても…まさかこれほどとはな…」
何だかアニメに出てくる指揮官のような台詞を吐く私は、今5階の共用風呂にいます。
広すぎてここはスーパー銭湯か何かかと聞きたくなるレベルで。
いやむしろラブホか。
「でもお風呂は好きだから最高〜!」
昨日は自室のお風呂で入ったため、共用スペースのお風呂に入るのは初めてでテンションが上がる。
体と髪を洗ってから、普通の家庭ではありえない大きさの浴槽に飛び込みたい気持ちを抑えてゆっくり湯に浸かる。
体をじわりと包み込んでいく熱が心地良くて、自然と息が漏れた。
「っはぁ〜……気持ちぃ……」
今日は養子縁組の手続きのお話を詳しく聞いたり、住民票やら、保険やら…朝日奈家で生活する上での必要な事務手続きをいっぱいしてきた。
右京さんがお休みだったので、一緒に行ったけど内心右京さんの車に乗れて嬉しすぎて死ぬかと思った。
何より事務手続きしていると、本当に朝日奈家の家族になるんだなぁと実感して涙腺が大崩壊しそうでした、はい。
まぁ嬉しいこと続きではあったけど、やっぱりそういうのって疲れるわけで。
夕食後に右京さんから借りた本を読み終えると、時計の短い針がてっぺんの数字を指そうとしていた。
いい時間なのでそろそろお風呂に入ろうと思ったら、シャワーヘッドが歪な音を立て始めた。
申し訳ない気持ちをいっぱいに隣の部屋の梓さんに相談すると、5階のお風呂使いなよとの天啓を賜る。
忘れてた!あのでっけぇ風呂!となり、今に至る。
共用スペースのお風呂は、外側がガラス張りになっていてうっすらと夜景も見える。
室内にはタオルとバスボムなどが入ったラック、それからシャンプーとコンディショナーなどが入った棚があった。
シャンプーとかは兄弟それぞれの好みがあるのか、数多くの種類が置いてあった。
いかにも男性シャンプーって感じなのは誰かなぁ…とか、TU○AKIを使ってるの誰だ!?とか考えながら、お風呂を堪能した。
浴槽が広いため、足を広げられるのがとても嬉しくて、いつもより長湯をしてしまった。
ラックからタオルを取って、体に軽く巻いて浴室を後にする。
「あ…しまったな」
髪と体を拭き終わって、下着をつけたところでズボンを忘れた事に気付く。
少し悩んだけど、上に来る部屋着がセール品のダボダボTシャツだったので、ワンピースになるだろうと思い、それを着る。
思っていたより短かったけど、前に屈むとパンツ見えるだろうな〜と呑気に考えながら、タオルドライする用のフェイスタオルを頭に被って出た。
リビングを通ってダイニングにある冷蔵庫から牛乳を拝借して、コップに注いでソファに座る。
「はぁ〜…疲れた時にはこれだわぁ…」
足を組んで牛乳を堪能していると誰かの足音がした。
視線を上に向けると、そこには法衣姿の裏切り者の金髪…もとい要さん。
「あれ、奈菜ちゃん?こんな時間にどうしたの?」
「おかえりなさい要さん、いやあ自室のお風呂壊れちゃって」
「…ただいま、なるほどねぇ」
何だか一瞬要さんが驚いたような気がしたけど…さほど気にする事でも無いかと言及しない。
話しながら階段を降りてくる要さんから視線を外して、ソファから立ち上がる。
「ご飯は食べたんですか?」
「うん、食べたんだけど…ちょっと小腹が空いたかな」
「…私で良ければ何か作りましょうか?」
料理が得意というわけではないけど、生きていく上で必要なスキルだったので、下手というわけでもない。
何かいい食材あるかなと考えながら、キッチンに足を運ぶ。
「いいの?」
「右京さんや絵麻ちゃん程美味しくないですよ?…それでも良ければ」
「奈菜ちゃんの手作り料理が食べれるなんて、嬉しいなぁ」
いつものチャラチャラした雰囲気に戻った要さんは、袈裟を外してダイニングの椅子に掛けると、カウンターキッチンにやってきた。
「それよりさ、もしかしなくてもお風呂あがり?」
「そうですよ?」
「こんな無防備なカッコしてたら、狼に食べられちゃうよ?」
「ひっ…!?」
急に後ろから抱きしめられ、耳元で囁かれて顔に一気に熱が集まる。
「なっ…!何をっ…!!」
「初心な反応、めちゃくちゃ可愛いね…お兄さん我慢できなくなりそう」
「〜〜っ!!?」
抵抗しようとして、体を捻ると今度は前から抱き竦められる。
体を捻った瞬間に見えたギラつく瞳。
それはどう考えても男の人の瞳で、抵抗しようにも体が石になったみたいに上手く機能してくれない。
お香の匂いと汗の匂い、それからブルガリの香水が鼻をくすぐる。
嫌味のないくらいにつけてあるはずなのに、今はその香りに立ちくらみを覚える。
カルダモン、ジンジャー、グレーチークのスパイシーウッディな香調が、弄ぶように私の脳を支配する。
私は身長が低いから要さんに抱きしめられると、すっぽりと腕の中で身動きが取れないくらいに収まってしまう。
抱きしめられるために回された手が触れている腰が、大きくて暖かい胸板に押し付けられた顔や胸の全てが、加速するように熱を帯びていく。
直接肌と肌が触れ合っている訳でも無いのに、熱が体の中を走り回る。要さんと私が触れ合っている場所全てに、要さんを覚え込まされているみたいで恥ずかしくなる。
「ダメだよ、誰が来るかわからない様な場所でこんなカッコしちゃ…」
「ぁっ…!」
つつ…とワンピース代わりに着ていたTシャツの裾から手を入れられる。
その光景を自分の目で見てしまった私は、触れた場所がさらに熱くなるのを感じてしまう。
もう何がなんだか分からなくて、恥ずかしくて堪らなくなって、要さんの法衣をギュッと握る。
その瞬間、優しく頭を撫でられた。
「…男はみんな狼なんだから、気をつけるんだよ?」
「は…?」
さっきまで男の顔をしていた要さんは、いつの間にかお兄ちゃんの顔に戻っていた。
その顔に悲しみを覚えた上に何だか無性に腹が立ったので、鳩尾に一発入れる。
「ぐっ…!?」
「っ要さんのばーーーーか!!!」
精一杯の悪態を吐いて、私は5階から逃げ出した。
「何でっ…何で私にあんな事…!」
私はイレギュラーなんだから、こんなのダメだ。
何だかアニメに出てくる指揮官のような台詞を吐く私は、今5階の共用風呂にいます。
広すぎてここはスーパー銭湯か何かかと聞きたくなるレベルで。
いやむしろラブホか。
「でもお風呂は好きだから最高〜!」
昨日は自室のお風呂で入ったため、共用スペースのお風呂に入るのは初めてでテンションが上がる。
体と髪を洗ってから、普通の家庭ではありえない大きさの浴槽に飛び込みたい気持ちを抑えてゆっくり湯に浸かる。
体をじわりと包み込んでいく熱が心地良くて、自然と息が漏れた。
「っはぁ〜……気持ちぃ……」
今日は養子縁組の手続きのお話を詳しく聞いたり、住民票やら、保険やら…朝日奈家で生活する上での必要な事務手続きをいっぱいしてきた。
右京さんがお休みだったので、一緒に行ったけど内心右京さんの車に乗れて嬉しすぎて死ぬかと思った。
何より事務手続きしていると、本当に朝日奈家の家族になるんだなぁと実感して涙腺が大崩壊しそうでした、はい。
まぁ嬉しいこと続きではあったけど、やっぱりそういうのって疲れるわけで。
夕食後に右京さんから借りた本を読み終えると、時計の短い針がてっぺんの数字を指そうとしていた。
いい時間なのでそろそろお風呂に入ろうと思ったら、シャワーヘッドが歪な音を立て始めた。
申し訳ない気持ちをいっぱいに隣の部屋の梓さんに相談すると、5階のお風呂使いなよとの天啓を賜る。
忘れてた!あのでっけぇ風呂!となり、今に至る。
共用スペースのお風呂は、外側がガラス張りになっていてうっすらと夜景も見える。
室内にはタオルとバスボムなどが入ったラック、それからシャンプーとコンディショナーなどが入った棚があった。
シャンプーとかは兄弟それぞれの好みがあるのか、数多くの種類が置いてあった。
いかにも男性シャンプーって感じなのは誰かなぁ…とか、TU○AKIを使ってるの誰だ!?とか考えながら、お風呂を堪能した。
浴槽が広いため、足を広げられるのがとても嬉しくて、いつもより長湯をしてしまった。
ラックからタオルを取って、体に軽く巻いて浴室を後にする。
「あ…しまったな」
髪と体を拭き終わって、下着をつけたところでズボンを忘れた事に気付く。
少し悩んだけど、上に来る部屋着がセール品のダボダボTシャツだったので、ワンピースになるだろうと思い、それを着る。
思っていたより短かったけど、前に屈むとパンツ見えるだろうな〜と呑気に考えながら、タオルドライする用のフェイスタオルを頭に被って出た。
リビングを通ってダイニングにある冷蔵庫から牛乳を拝借して、コップに注いでソファに座る。
「はぁ〜…疲れた時にはこれだわぁ…」
足を組んで牛乳を堪能していると誰かの足音がした。
視線を上に向けると、そこには法衣姿の裏切り者の金髪…もとい要さん。
「あれ、奈菜ちゃん?こんな時間にどうしたの?」
「おかえりなさい要さん、いやあ自室のお風呂壊れちゃって」
「…ただいま、なるほどねぇ」
何だか一瞬要さんが驚いたような気がしたけど…さほど気にする事でも無いかと言及しない。
話しながら階段を降りてくる要さんから視線を外して、ソファから立ち上がる。
「ご飯は食べたんですか?」
「うん、食べたんだけど…ちょっと小腹が空いたかな」
「…私で良ければ何か作りましょうか?」
料理が得意というわけではないけど、生きていく上で必要なスキルだったので、下手というわけでもない。
何かいい食材あるかなと考えながら、キッチンに足を運ぶ。
「いいの?」
「右京さんや絵麻ちゃん程美味しくないですよ?…それでも良ければ」
「奈菜ちゃんの手作り料理が食べれるなんて、嬉しいなぁ」
いつものチャラチャラした雰囲気に戻った要さんは、袈裟を外してダイニングの椅子に掛けると、カウンターキッチンにやってきた。
「それよりさ、もしかしなくてもお風呂あがり?」
「そうですよ?」
「こんな無防備なカッコしてたら、狼に食べられちゃうよ?」
「ひっ…!?」
急に後ろから抱きしめられ、耳元で囁かれて顔に一気に熱が集まる。
「なっ…!何をっ…!!」
「初心な反応、めちゃくちゃ可愛いね…お兄さん我慢できなくなりそう」
「〜〜っ!!?」
抵抗しようとして、体を捻ると今度は前から抱き竦められる。
体を捻った瞬間に見えたギラつく瞳。
それはどう考えても男の人の瞳で、抵抗しようにも体が石になったみたいに上手く機能してくれない。
お香の匂いと汗の匂い、それからブルガリの香水が鼻をくすぐる。
嫌味のないくらいにつけてあるはずなのに、今はその香りに立ちくらみを覚える。
カルダモン、ジンジャー、グレーチークのスパイシーウッディな香調が、弄ぶように私の脳を支配する。
私は身長が低いから要さんに抱きしめられると、すっぽりと腕の中で身動きが取れないくらいに収まってしまう。
抱きしめられるために回された手が触れている腰が、大きくて暖かい胸板に押し付けられた顔や胸の全てが、加速するように熱を帯びていく。
直接肌と肌が触れ合っている訳でも無いのに、熱が体の中を走り回る。要さんと私が触れ合っている場所全てに、要さんを覚え込まされているみたいで恥ずかしくなる。
「ダメだよ、誰が来るかわからない様な場所でこんなカッコしちゃ…」
「ぁっ…!」
つつ…とワンピース代わりに着ていたTシャツの裾から手を入れられる。
その光景を自分の目で見てしまった私は、触れた場所がさらに熱くなるのを感じてしまう。
もう何がなんだか分からなくて、恥ずかしくて堪らなくなって、要さんの法衣をギュッと握る。
その瞬間、優しく頭を撫でられた。
「…男はみんな狼なんだから、気をつけるんだよ?」
「は…?」
さっきまで男の顔をしていた要さんは、いつの間にかお兄ちゃんの顔に戻っていた。
その顔に悲しみを覚えた上に何だか無性に腹が立ったので、鳩尾に一発入れる。
「ぐっ…!?」
「っ要さんのばーーーーか!!!」
精一杯の悪態を吐いて、私は5階から逃げ出した。
「何でっ…何で私にあんな事…!」
私はイレギュラーなんだから、こんなのダメだ。