朝日奈家へ居候
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あの後、みんなで少しだけリビングで雑談して解散となった。
ただの雑談のはずなのに、緊張しっぱなしで終始要さんが笑ってた。やっぱりあの金髪殴っておけばよかった。
「おーわりっと」
解散してからは用意された部屋に戻って、荷物の整理をした。
と言っても、中くらいのお出かけ鞄ひとつにボストンバックだけなので30分も経たずと終わった。
右京さんが用意してくれたであろうクリアケースに絵麻ちゃんの選んでくれた服をしまったり、鞄の中身を確認して不必要なものを机の上に置いたりしただけだった。
「にしても本当にマンションの一室だな」
部屋は恐らく他の兄弟たちと同じであろう綺麗な広めの1K。
部屋の内装は美和さんにリクエストを聞かれ、答えたイメージ通りの部屋になっていた。
壁はクリームがかった綺麗な白、床はフローリング。
モノクロ調のベッドに、シンプルデザインのソファや机などの家具たち。
私の望んでいた景色そのままで、美和さんの実力を垣間見た気がした。
「ふぅ…疲れた…」
ようやく人心地ついたと言えばいいのか。
あの美男美女の中に…しかも大好きなゲームのキャラクターに囲まれるのは、なかなかに疲れる。
嬉しい気持ちが勝るのだが、落ち着いた時に襲う疲労感が狂気の沙汰レベルである。
やっぱりイケメンは毒だと再認識。うん。
少し休んでから時間を見ると、夕飯の準備をするにはいい時間だった。
右京さんと絵麻ちゃんがそろそろ作り出す時間かなと考えて、せめて配膳の手伝いくらいはさせてもらおうと自室を出る。
自室のドアを開けた瞬間に、少し離れた場所からもドアを開ける音が聞こえた。
音のした方に視線を向けると、右京さんが部屋を出たところだった。
「右京さん」
「おや奈菜さん、どうされましたか?」
「これからご飯を作るんですか?」
「えぇ、そのつもりです」
「えと…良ければなんですけど、お手伝いをさせて頂きたくて…」
邪魔にならないよう頑張りますと捲し立てるように言うと、右京さんは目をぱちくりとさせた後、すぐに微笑んでくれた。
「そんなことはありませんよ、お願いしますね」
「ありがとうございます」
「こちらこそありがとうございます、しかし、やはり女の子ですね」
「はい?」
右京さんの優しい微笑みを見れて…じゃなかった、了承を得て嬉しくなっていると、右京さんはそう呟いた。
「絵麻さんもうちに来たばかりの頃に、手伝わせてほしいと言ってくれたんですが…」
「あぁ…」
そう言えば、そんな話もあったなぁと思い返す。
「やっぱり女の子は色んなことに気づくので、気遣いが上手だと思っただけですよ」
「私はそんなんじゃないですよ…理由がどうであれ皆さんに気を遣わせてしまうし、ご迷惑をおかけすると思うので…せめてこれくらいは力になりたいと思っただけです」
絵麻ちゃんみたいに親の再婚で出来た妹でもない私は異質だろう。
幼子ならまだしも、成人している人間を養子縁組なんて。
急に明日から23歳の妹できるよ!とか言われたら、多分私ならぶん殴ってるね、うん。
だから手伝える家事は出来るだけ手伝いたい。
絶賛ニートだから時間はあるよ!
「そんなことでしたか」
「え?」
「うちの母は昔からあぁなので、突拍子な事には慣れています」
「えっと…」
「それに母のお眼鏡にかなっている時点で、貴女の事を悪く言う人間も、疎ましく思う人間もここにいませんよ」
「…右京さん…」
右京さんの柔らかな微笑みと私の頭を優しく撫でるその手が、強張っていた心を溶かすようにじんわりと熱が広がっていく。
「…右京さんって、やっぱりお母さんみたいですね」
「は?」
「あっ!いや、えっとナンデモナイデス!!」
しまった失言だ!!馬鹿じゃないの私!?何をぽろっと爆弾発言を
もう右京ママンのおめめ見れない…!!!
「ママン…?」
「えっ…」
おっとこれはまさか思ってる事が全部口に出ちゃってるパターンか…?!
いやでもまさかそんなアニメみたいな事起こるわけが…。
「いやぁ悲しきかな、起こってるよ奈菜ちゃん」
「やめてください要さん、私はいま現実逃避をしているんです」
「それやめて早めに謝った方が身のためだと思うけどなぁ俺」
法衣に着替えた要さんもエレベーターホールに現れて、私の左側に立つ。
私は出来るだけ右側を見ないようにして、チンッと小気味いい音共に着いたエレベーターに何食わぬ顔で乗り込もうとすると、右手を強い力で掴まれた。
「ひぇっ…」
「要、先に行きなさい」
「はーい」
もちろんそれは右京さんの手で、ちらりと見上げるとばっちり笑顔。もちろん瞳は笑ってなんかいない。
後ろに般若のお面が見え隠れしていて、背筋が凍る。
「か、なめさっ…!」
「ドンマイ☆」
「うっ…裏切者ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
やっとの思いで口にした言葉は、無情にも跳ね返される。
やっぱりあいつ殴る!!!
その後右京さんのお部屋でこってりと絞られた後、夕食のお手伝いに片づけ、洗濯を言い渡されて、その日は泥のように眠りましたまる。
ただの雑談のはずなのに、緊張しっぱなしで終始要さんが笑ってた。やっぱりあの金髪殴っておけばよかった。
「おーわりっと」
解散してからは用意された部屋に戻って、荷物の整理をした。
と言っても、中くらいのお出かけ鞄ひとつにボストンバックだけなので30分も経たずと終わった。
右京さんが用意してくれたであろうクリアケースに絵麻ちゃんの選んでくれた服をしまったり、鞄の中身を確認して不必要なものを机の上に置いたりしただけだった。
「にしても本当にマンションの一室だな」
部屋は恐らく他の兄弟たちと同じであろう綺麗な広めの1K。
部屋の内装は美和さんにリクエストを聞かれ、答えたイメージ通りの部屋になっていた。
壁はクリームがかった綺麗な白、床はフローリング。
モノクロ調のベッドに、シンプルデザインのソファや机などの家具たち。
私の望んでいた景色そのままで、美和さんの実力を垣間見た気がした。
「ふぅ…疲れた…」
ようやく人心地ついたと言えばいいのか。
あの美男美女の中に…しかも大好きなゲームのキャラクターに囲まれるのは、なかなかに疲れる。
嬉しい気持ちが勝るのだが、落ち着いた時に襲う疲労感が狂気の沙汰レベルである。
やっぱりイケメンは毒だと再認識。うん。
少し休んでから時間を見ると、夕飯の準備をするにはいい時間だった。
右京さんと絵麻ちゃんがそろそろ作り出す時間かなと考えて、せめて配膳の手伝いくらいはさせてもらおうと自室を出る。
自室のドアを開けた瞬間に、少し離れた場所からもドアを開ける音が聞こえた。
音のした方に視線を向けると、右京さんが部屋を出たところだった。
「右京さん」
「おや奈菜さん、どうされましたか?」
「これからご飯を作るんですか?」
「えぇ、そのつもりです」
「えと…良ければなんですけど、お手伝いをさせて頂きたくて…」
邪魔にならないよう頑張りますと捲し立てるように言うと、右京さんは目をぱちくりとさせた後、すぐに微笑んでくれた。
「そんなことはありませんよ、お願いしますね」
「ありがとうございます」
「こちらこそありがとうございます、しかし、やはり女の子ですね」
「はい?」
右京さんの優しい微笑みを見れて…じゃなかった、了承を得て嬉しくなっていると、右京さんはそう呟いた。
「絵麻さんもうちに来たばかりの頃に、手伝わせてほしいと言ってくれたんですが…」
「あぁ…」
そう言えば、そんな話もあったなぁと思い返す。
「やっぱり女の子は色んなことに気づくので、気遣いが上手だと思っただけですよ」
「私はそんなんじゃないですよ…理由がどうであれ皆さんに気を遣わせてしまうし、ご迷惑をおかけすると思うので…せめてこれくらいは力になりたいと思っただけです」
絵麻ちゃんみたいに親の再婚で出来た妹でもない私は異質だろう。
幼子ならまだしも、成人している人間を養子縁組なんて。
急に明日から23歳の妹できるよ!とか言われたら、多分私ならぶん殴ってるね、うん。
だから手伝える家事は出来るだけ手伝いたい。
絶賛ニートだから時間はあるよ!
「そんなことでしたか」
「え?」
「うちの母は昔からあぁなので、突拍子な事には慣れています」
「えっと…」
「それに母のお眼鏡にかなっている時点で、貴女の事を悪く言う人間も、疎ましく思う人間もここにいませんよ」
「…右京さん…」
右京さんの柔らかな微笑みと私の頭を優しく撫でるその手が、強張っていた心を溶かすようにじんわりと熱が広がっていく。
「…右京さんって、やっぱりお母さんみたいですね」
「は?」
「あっ!いや、えっとナンデモナイデス!!」
しまった失言だ!!馬鹿じゃないの私!?何をぽろっと爆弾発言を
もう右京ママンのおめめ見れない…!!!
「ママン…?」
「えっ…」
おっとこれはまさか思ってる事が全部口に出ちゃってるパターンか…?!
いやでもまさかそんなアニメみたいな事起こるわけが…。
「いやぁ悲しきかな、起こってるよ奈菜ちゃん」
「やめてください要さん、私はいま現実逃避をしているんです」
「それやめて早めに謝った方が身のためだと思うけどなぁ俺」
法衣に着替えた要さんもエレベーターホールに現れて、私の左側に立つ。
私は出来るだけ右側を見ないようにして、チンッと小気味いい音共に着いたエレベーターに何食わぬ顔で乗り込もうとすると、右手を強い力で掴まれた。
「ひぇっ…」
「要、先に行きなさい」
「はーい」
もちろんそれは右京さんの手で、ちらりと見上げるとばっちり笑顔。もちろん瞳は笑ってなんかいない。
後ろに般若のお面が見え隠れしていて、背筋が凍る。
「か、なめさっ…!」
「ドンマイ☆」
「うっ…裏切者ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
やっとの思いで口にした言葉は、無情にも跳ね返される。
やっぱりあいつ殴る!!!
その後右京さんのお部屋でこってりと絞られた後、夕食のお手伝いに片づけ、洗濯を言い渡されて、その日は泥のように眠りましたまる。