朝日奈家へ居候
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要さんに連れられて、まずは用意してもらっていた私の自室がある4階に荷物を置きに行く。
最初は鞄ひとつだった私の荷物は、今やボストンバックひとつ分増えている。
それというのも、要さんが女の子なんだから必要でしょと気を使ってくださったおかげで。
絵麻ちゃんと一緒に選んだという服をいただいてしまったのだ。
絵麻ちゃんが選んだという服は、シンプルなデザインが多くて助かった。
あの子みたいに若くも可愛くもないから、さすがにピンクの甘めデザインの服でこられたらちょっと…と思っていた。
そういう意味ではやっぱり気遣いのできる優しい子なんだなぁと、これから会うであろう女の子に思いを馳せていると自室に着いた。
「ここが奈菜ちゃんの部屋だよ、俺の部屋の隣ね」
「えっ」
「え?」
あれ??待って待って??確か要さんと梓さんの部屋の間が絵麻ちゃんだったような…??
「えと、絵麻ちゃんの部屋は…」
「あぁ、妹ちゃんはこの階の一番左の部屋だよ」
「へ、へぇ…」
同じ階だったことに安堵するが、記憶を探るとそこは物置だったような…と考えたが、もう色々めんどくさくなって考えるのをやめた。
そもそも私がこの世界にいること自体がイレギュラーなんだから、今更か…とため息。
「えぇ〜?何そのため息、ここは俺の部屋が隣で喜ぶとこじゃない?」
「……どこからその自信が出てくるんですか?」
パチッと茶目っ気たっぷりにウィンクする要さんに、今すぐにも心臓を抑えて悶えたい衝動をどうにか殺す。
「酷いなぁ、これでも心配しているんだよ?」
「心配?」
「そ、この家には女の子より男が多いからね……君が悪い狼に引っかからないように、てね」
「はっ!?」
要さんに頬を撫でられながら、甘く囁かれる。
私はそれに顔を真っ赤にせざるを得ない。
意味わからんこの坊主!お前が一番危険だわ!と言いたい気分をどうにか抑える。
「要さんって前から思ってましたけど、結構チャラいですよね」
「ははっ!奈菜ちゃんは相変わらず手厳しいなぁ」
入院中も病室を訪ねてきては、まるで挨拶みたいに自然に口説いてくる。
これが2次元なら私も手放しで喜ぶが、これは3次元。
触れられる手の温かさも、熱くなる頬も、現実なのだ。
私の心臓が保たないから、是非やめていただきたい。
「じゃあ荷物も置いたし、5階のリビングに案内するよ」
「はい」
荷物を自室に置いて、再度二人でエレベーターに乗り込む。
よく考えて見ると、本当にこの家は規模がおかしい。
マンションの一部屋が自室で、自宅がマンションの3階分ってどういうことだ全く。
しかも5階の共有スペースが恐ろしいほどデカい。豪邸である。
これから自分がしばらく居候することになるという避けられない事実に目眩がした。
「はい、着いたよ」
「…はぁー…」
着いた途端に見える玄関の広さに改めて驚く。
アニメで何度も見たけど、実際に自分の目で見るとやっぱり違うなと感嘆の息を漏らす。
靴を脱いで上がる要さんに続いて靴を手早く脱ぎ、きちんと揃えてから立ち上がる。
「…」
「?どうかしましたか」
「ううん、何でもない」
私を見つめていた要さんに気付いて、何かと問うとそう返ってきた。
何なんだ一体。
歩いていくと見慣れているけど初めて見る景色が広がっていく。
それと同時に本当にあのゲームの世界なんだなぁと実感し始めて、鼓動が駆けていく。
「やぁ、退院おめでとう」
「雅臣さん、ありがとうございます」
玄関からリビングに繋がる階段を降りていけば、大きなソファの真ん中に座る雅臣さん。その周りにはあの兄弟たち。
遠目だからいいけど、こいつら本当に顔面偏差値どうなってんだ。
「初めまして奈菜さん、絵麻です…よろしくお願いします」
「こちらこそよろしく、服ありがとう」
「いえ…お役に立てたならよかったです」
茶髪のサイドポニーを揺らしながら近づいて来たお姫様、絵麻ちゃん。
性格も良ければ、容姿もバッチリ、その上仕草全てが可愛らしく思えて、そりゃみんな虜にもなるわと一人で納得。
肩の上に乗ったリスに一瞥をくれると、目があったような気がした。
「ちぃよかったな、同性がいるのといないでは違うだろう」
「そうだね…嬉しい」
肩にのせたナイトくんと微笑ましく和む彼女に私は違和感を覚えた。
「…聞こえる?」
「え?」「ん?」
「……そのリスって」
何だかいい声で人語が聞こえた気がして、こめかみを抑える。
おかしいな、彼女とおっとり美容師にしか聞こえなかったような気がするんだが。
「あ、こっちはジュリです…小さい頃から一緒で」
「ちぃを守るために協力して欲しいが…どうしたものか」
「もう…ジュリったら変なこと言わないで」
「…おっとぉ…?」
これはもう完全に聞こえてますね、ええ。
おっかしいなー私そんなにピュアな人間じゃないんだけどなぁー何で聞こえるのかなー。
遠い目をしていると、心配そうな顔をした絵麻ちゃんに声をかけられた。
「あぁ、いやごめん何でもないよ」
「そうですか?」
「うん、あぁ…えっとジュリだっけ?」
「はい」「ん?」
もはや聞かずとも前から知っていた名前を、今聞いたみたいに装って声をかける。
そして二人にしか聞こえないように呟いた。
「色々大変だろうけど、私なりにちぃちゃんを守るの協力するよ」
「えっ!?」「!?」
大きく目を開いて驚く絵麻ちゃんとジュリににっこり笑う。
この気持ちは本心である。事実妹みたいに可愛がりたい。
だけど面白いからちょっと遠目から観察とかしちゃうかも、それは…許してね☆
最初は鞄ひとつだった私の荷物は、今やボストンバックひとつ分増えている。
それというのも、要さんが女の子なんだから必要でしょと気を使ってくださったおかげで。
絵麻ちゃんと一緒に選んだという服をいただいてしまったのだ。
絵麻ちゃんが選んだという服は、シンプルなデザインが多くて助かった。
あの子みたいに若くも可愛くもないから、さすがにピンクの甘めデザインの服でこられたらちょっと…と思っていた。
そういう意味ではやっぱり気遣いのできる優しい子なんだなぁと、これから会うであろう女の子に思いを馳せていると自室に着いた。
「ここが奈菜ちゃんの部屋だよ、俺の部屋の隣ね」
「えっ」
「え?」
あれ??待って待って??確か要さんと梓さんの部屋の間が絵麻ちゃんだったような…??
「えと、絵麻ちゃんの部屋は…」
「あぁ、妹ちゃんはこの階の一番左の部屋だよ」
「へ、へぇ…」
同じ階だったことに安堵するが、記憶を探るとそこは物置だったような…と考えたが、もう色々めんどくさくなって考えるのをやめた。
そもそも私がこの世界にいること自体がイレギュラーなんだから、今更か…とため息。
「えぇ〜?何そのため息、ここは俺の部屋が隣で喜ぶとこじゃない?」
「……どこからその自信が出てくるんですか?」
パチッと茶目っ気たっぷりにウィンクする要さんに、今すぐにも心臓を抑えて悶えたい衝動をどうにか殺す。
「酷いなぁ、これでも心配しているんだよ?」
「心配?」
「そ、この家には女の子より男が多いからね……君が悪い狼に引っかからないように、てね」
「はっ!?」
要さんに頬を撫でられながら、甘く囁かれる。
私はそれに顔を真っ赤にせざるを得ない。
意味わからんこの坊主!お前が一番危険だわ!と言いたい気分をどうにか抑える。
「要さんって前から思ってましたけど、結構チャラいですよね」
「ははっ!奈菜ちゃんは相変わらず手厳しいなぁ」
入院中も病室を訪ねてきては、まるで挨拶みたいに自然に口説いてくる。
これが2次元なら私も手放しで喜ぶが、これは3次元。
触れられる手の温かさも、熱くなる頬も、現実なのだ。
私の心臓が保たないから、是非やめていただきたい。
「じゃあ荷物も置いたし、5階のリビングに案内するよ」
「はい」
荷物を自室に置いて、再度二人でエレベーターに乗り込む。
よく考えて見ると、本当にこの家は規模がおかしい。
マンションの一部屋が自室で、自宅がマンションの3階分ってどういうことだ全く。
しかも5階の共有スペースが恐ろしいほどデカい。豪邸である。
これから自分がしばらく居候することになるという避けられない事実に目眩がした。
「はい、着いたよ」
「…はぁー…」
着いた途端に見える玄関の広さに改めて驚く。
アニメで何度も見たけど、実際に自分の目で見るとやっぱり違うなと感嘆の息を漏らす。
靴を脱いで上がる要さんに続いて靴を手早く脱ぎ、きちんと揃えてから立ち上がる。
「…」
「?どうかしましたか」
「ううん、何でもない」
私を見つめていた要さんに気付いて、何かと問うとそう返ってきた。
何なんだ一体。
歩いていくと見慣れているけど初めて見る景色が広がっていく。
それと同時に本当にあのゲームの世界なんだなぁと実感し始めて、鼓動が駆けていく。
「やぁ、退院おめでとう」
「雅臣さん、ありがとうございます」
玄関からリビングに繋がる階段を降りていけば、大きなソファの真ん中に座る雅臣さん。その周りにはあの兄弟たち。
遠目だからいいけど、こいつら本当に顔面偏差値どうなってんだ。
「初めまして奈菜さん、絵麻です…よろしくお願いします」
「こちらこそよろしく、服ありがとう」
「いえ…お役に立てたならよかったです」
茶髪のサイドポニーを揺らしながら近づいて来たお姫様、絵麻ちゃん。
性格も良ければ、容姿もバッチリ、その上仕草全てが可愛らしく思えて、そりゃみんな虜にもなるわと一人で納得。
肩の上に乗ったリスに一瞥をくれると、目があったような気がした。
「ちぃよかったな、同性がいるのといないでは違うだろう」
「そうだね…嬉しい」
肩にのせたナイトくんと微笑ましく和む彼女に私は違和感を覚えた。
「…聞こえる?」
「え?」「ん?」
「……そのリスって」
何だかいい声で人語が聞こえた気がして、こめかみを抑える。
おかしいな、彼女とおっとり美容師にしか聞こえなかったような気がするんだが。
「あ、こっちはジュリです…小さい頃から一緒で」
「ちぃを守るために協力して欲しいが…どうしたものか」
「もう…ジュリったら変なこと言わないで」
「…おっとぉ…?」
これはもう完全に聞こえてますね、ええ。
おっかしいなー私そんなにピュアな人間じゃないんだけどなぁー何で聞こえるのかなー。
遠い目をしていると、心配そうな顔をした絵麻ちゃんに声をかけられた。
「あぁ、いやごめん何でもないよ」
「そうですか?」
「うん、あぁ…えっとジュリだっけ?」
「はい」「ん?」
もはや聞かずとも前から知っていた名前を、今聞いたみたいに装って声をかける。
そして二人にしか聞こえないように呟いた。
「色々大変だろうけど、私なりにちぃちゃんを守るの協力するよ」
「えっ!?」「!?」
大きく目を開いて驚く絵麻ちゃんとジュリににっこり笑う。
この気持ちは本心である。事実妹みたいに可愛がりたい。
だけど面白いからちょっと遠目から観察とかしちゃうかも、それは…許してね☆