朝日奈家へ居候
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この世界で生きていく手続きやら、覚悟も決まったのは良い。
とっても喜ばしい事だろう。しかし、まだ問題は山積みである。
真っ先に解決しなければならないのは、もちろん…
「仕事…だよなぁ…」
こっちの世界に来る際に持っていた所持金は、およそ諭吉が15人。
給料日の帰りで、多めに持っていた。
この間右京さんと出かけた際に確認したが、今持っている銀行のカードはアウトでした。おろしててよかった…!!
今日はその金で、服や生活必需品を買おうと思って、東京駅から吉祥寺のショッピングモールに来ている。
しかし買い物する前に少しまったりしようと思い、カフェで紅茶とケーキを貪っている。
仕事に関しては、全く難しいとは思わない。
それというのも、一応資格をそこそこ持っているからである。
前の世界では病院で働いていたので、医療事務の資格がある。その上元々パソコンが好きだったのもあって、ホームページ制作やOfficeなどの資格も持っている。
ある程度、就職に有利ではあると思うが…就活もせずに何やってたんだと聞かれると答えられない。
いやもう、仕事してたんですけどねって言えたら良いのに…。
「はぁ…」
この世界に来てから何度目かわからないため息をついて、紅茶を啜ると…前から慌てた声が聞こえた。
「うぉっ!?」
「っ?!」
前から歩いてきたであろう男性が持っていたアイスコーヒーが胸元にかかる。
白い服じゃなくてよかったなぁとか考えながら、手元にあったハンカチで拭こうとすると声をかけられた。
「すまない!大丈夫か?」
「あぁ、気にしないでくd…」
「汚してしまったな…これよかったら使ってくれ」
気にしないでくださいと言葉を紡ごうとして、体と思考が静止する。
顔を上げると、そこには三つ子のあいつがいた。
三つ子の中の末っ子で、双子からいつも無理難題を押し付けられる不憫なアノヒト。
明るいオレンジ色の髪が眩しい、大手ゲームメーカーの社畜である棗さんだった。
「…大丈夫か?」
「…えっ、あっ大丈夫ですよ!?」
「そうか?」
あっぶねーーーー!!後少しで棗さん!?とか声が出るところだった…。
てか生で見ると目つき悪いなこの人。イケメンだけど。
「全体的に服にかかったな…本当にすまない、弁償させてくれ」
「いや、良いですよ別に…そんな気にしないで」
「いや、お詫びくらいさせてくれ」
「えーっと…」
相変わらず律儀な人だな…どうしよう。
どう返しても、真面目な棗さんのことだから引かなそうだなぁと考えを巡らしていると、一つの案を思いついた。
「とりあえず座ってくださいな、コーヒーダメになっちゃったし…頼み直しましょう」
「あ、あぁ」
「すみませーん」
とりあえず会えたのはチャンスだと思って、棗さんを席に座らせる。
先ほど私にかかったしまったため、ほぼ空になったグラスを下げてもらい、新しいアイスコーヒーを頼む。
そしてお互いの自己紹介をしようと思って顔を上げると、そこには私を見つめる棗さんの顔があった。
え?やだイケメン……じゃなかった。めっちゃ訝しげな目で見られてるんだけど何事?
「ちなみにクリーニング代とここを俺が払うだけじゃ詫びとは言わせないぞ」
「え」
「…やっぱりな、遠慮せず俺にできることなら何でも言ってくれ」
何で考えてることわかったんだと訝しげな目線を隠さずに送ると、苦笑を返された。くそ、苦笑もイケメンってどういうことだ。
「とりあえず自己紹介しましょうか、私は……」
自己紹介しかけて、ふと面白い考えを思いつく。
どうせ結婚式で会うなら、今隠してた方が面白いのでは?そうだ、そうしよう☆
「どうした?」
「いや、何でも無いですよ…私は松井奈菜です 」
「俺は朝日奈棗、よろしくな」
「こちらこそよろしくお願いします」
「てかお前学校は?今日平日だろ?」
「………」
踏んだな。それはもう最大に踏み抜いたな、私の地雷を…!!
「朝日奈さん」
「ん?」
「私、今年で23になりますの」
「…は?」
「聞こえませんでした?私、ついこの間大学卒業しまして…社会人の仲間入りですの」
顔に影を作るような黒い笑みを浮かべる。
棗さんの顔の血の気がだんだんと引いていくのがわかるのと同時に、棗さんが頭を下げた。
「すまない…失礼なことを言ったな」
「わかってくれれば良いですよ」
反省しているようだし、もう慣れたことだからとまだ謝ろうとする棗さんを止める。
でも棗さんの気が済まずに、年齢に関してもお詫びをさせてくれと言い出した。
うーーーーん…これは受け取らないと聞かないパターンだな。
「…じゃあ、この後暇ですか?」
「あぁ、今日は午前終わりだから…大丈夫だ」
「今日は服を買う予定だったので、その代金を持ってもらうってことで…どうですか?」
「あぁ、構わない」
「じゃあ少し休憩してから行きましょうか」
何だろうな、イケメンなんだけど普通な棗さんだと落ち着く。
あの濃ゆ〜いキャラしかいない朝日奈家での常識人、ザ・普通マン。
正直とても助かる。
棗さんは頼み直したアイスコーヒーを、私は残っていたケーキと紅茶を空にして立ち上がる。
会計を棗さんに任せて、先に店外へと出る。
トップスの色が黒だったからあまりコーヒーの染みは目立たないが、ボトムスにはしっかりと染みがついているため、通行人にチラチラと見られる。
会計が済んで後から出てきた棗さんがそれを見て、再度申し訳なさそうな顔になる。
「もう気にしすぎですって」
「いやしかしな…」
「良いから、行きましょうよ」
「…おう」
これ以上この話題でいると、謝り倒しそうな棗さんを置いてくように足を動かすと、後ろから追うように革靴が床を叩く音が聞こえた。
今日行く予定だったお店に着くと、棗さんが眉間にシワを寄せた。
「俺の記憶だと…この店って、結構安くなかったか?」
「そうですね、貧乏に優しいし○むらですね」
「…俺が出すんだから、もう少し高いところでも良いんだが…」
「そんなわざわざ高いところで買わなくたって、ここには同じようなデザインが安く買えるんですよ!」
「そ、そうか…」
貧乏ナメんなよ!ぐらいの勢いで喋ると、棗さんは圧倒されていた。
高い店では諭吉一人で1〜2着くらいしか買えないけど、しま○らだと下手したら10着買えるかんな!
「さ、じゃあこき使いますからそのつもりで♪」
「!…はいはい、仰せのままに」
にっこりと笑いかけると棗さんは少し驚いたような顔をした後に、やれやれとでも言いたげな顔で笑った。
「いや〜…いっぱい買えたぁ〜」
「いや、買いすぎじゃないか?これ…」
「これでも抑えたんですけど」
「まじかよ…」
何せこっちには私の服は、絵麻ちゃんがくれた服を合わせても10着もなかった。
必然的に量が多くなるのも仕方のないことである。
服だけでなく、下着や靴下、バッグや靴も買ったので結局大きな袋2つ、小さい袋1つとなった。
服を選んでいる時、棗さんは傍らでカートを押していてくれたが、下着を選んでいる時は席を外してくれていた。
面白がって黒レースの下着を持ってこれどうですか?と聞くと、顔を赤らめて見せんな!とか言ってた。かわ。
とっても喜ばしい事だろう。しかし、まだ問題は山積みである。
真っ先に解決しなければならないのは、もちろん…
「仕事…だよなぁ…」
こっちの世界に来る際に持っていた所持金は、およそ諭吉が15人。
給料日の帰りで、多めに持っていた。
この間右京さんと出かけた際に確認したが、今持っている銀行のカードはアウトでした。おろしててよかった…!!
今日はその金で、服や生活必需品を買おうと思って、東京駅から吉祥寺のショッピングモールに来ている。
しかし買い物する前に少しまったりしようと思い、カフェで紅茶とケーキを貪っている。
仕事に関しては、全く難しいとは思わない。
それというのも、一応資格をそこそこ持っているからである。
前の世界では病院で働いていたので、医療事務の資格がある。その上元々パソコンが好きだったのもあって、ホームページ制作やOfficeなどの資格も持っている。
ある程度、就職に有利ではあると思うが…就活もせずに何やってたんだと聞かれると答えられない。
いやもう、仕事してたんですけどねって言えたら良いのに…。
「はぁ…」
この世界に来てから何度目かわからないため息をついて、紅茶を啜ると…前から慌てた声が聞こえた。
「うぉっ!?」
「っ?!」
前から歩いてきたであろう男性が持っていたアイスコーヒーが胸元にかかる。
白い服じゃなくてよかったなぁとか考えながら、手元にあったハンカチで拭こうとすると声をかけられた。
「すまない!大丈夫か?」
「あぁ、気にしないでくd…」
「汚してしまったな…これよかったら使ってくれ」
気にしないでくださいと言葉を紡ごうとして、体と思考が静止する。
顔を上げると、そこには三つ子のあいつがいた。
三つ子の中の末っ子で、双子からいつも無理難題を押し付けられる不憫なアノヒト。
明るいオレンジ色の髪が眩しい、大手ゲームメーカーの社畜である棗さんだった。
「…大丈夫か?」
「…えっ、あっ大丈夫ですよ!?」
「そうか?」
あっぶねーーーー!!後少しで棗さん!?とか声が出るところだった…。
てか生で見ると目つき悪いなこの人。イケメンだけど。
「全体的に服にかかったな…本当にすまない、弁償させてくれ」
「いや、良いですよ別に…そんな気にしないで」
「いや、お詫びくらいさせてくれ」
「えーっと…」
相変わらず律儀な人だな…どうしよう。
どう返しても、真面目な棗さんのことだから引かなそうだなぁと考えを巡らしていると、一つの案を思いついた。
「とりあえず座ってくださいな、コーヒーダメになっちゃったし…頼み直しましょう」
「あ、あぁ」
「すみませーん」
とりあえず会えたのはチャンスだと思って、棗さんを席に座らせる。
先ほど私にかかったしまったため、ほぼ空になったグラスを下げてもらい、新しいアイスコーヒーを頼む。
そしてお互いの自己紹介をしようと思って顔を上げると、そこには私を見つめる棗さんの顔があった。
え?やだイケメン……じゃなかった。めっちゃ訝しげな目で見られてるんだけど何事?
「ちなみにクリーニング代とここを俺が払うだけじゃ詫びとは言わせないぞ」
「え」
「…やっぱりな、遠慮せず俺にできることなら何でも言ってくれ」
何で考えてることわかったんだと訝しげな目線を隠さずに送ると、苦笑を返された。くそ、苦笑もイケメンってどういうことだ。
「とりあえず自己紹介しましょうか、私は……」
自己紹介しかけて、ふと面白い考えを思いつく。
どうせ結婚式で会うなら、今隠してた方が面白いのでは?そうだ、そうしよう☆
「どうした?」
「いや、何でも無いですよ…私は松井奈菜です 」
「俺は朝日奈棗、よろしくな」
「こちらこそよろしくお願いします」
「てかお前学校は?今日平日だろ?」
「………」
踏んだな。それはもう最大に踏み抜いたな、私の地雷を…!!
「朝日奈さん」
「ん?」
「私、今年で23になりますの」
「…は?」
「聞こえませんでした?私、ついこの間大学卒業しまして…社会人の仲間入りですの」
顔に影を作るような黒い笑みを浮かべる。
棗さんの顔の血の気がだんだんと引いていくのがわかるのと同時に、棗さんが頭を下げた。
「すまない…失礼なことを言ったな」
「わかってくれれば良いですよ」
反省しているようだし、もう慣れたことだからとまだ謝ろうとする棗さんを止める。
でも棗さんの気が済まずに、年齢に関してもお詫びをさせてくれと言い出した。
うーーーーん…これは受け取らないと聞かないパターンだな。
「…じゃあ、この後暇ですか?」
「あぁ、今日は午前終わりだから…大丈夫だ」
「今日は服を買う予定だったので、その代金を持ってもらうってことで…どうですか?」
「あぁ、構わない」
「じゃあ少し休憩してから行きましょうか」
何だろうな、イケメンなんだけど普通な棗さんだと落ち着く。
あの濃ゆ〜いキャラしかいない朝日奈家での常識人、ザ・普通マン。
正直とても助かる。
棗さんは頼み直したアイスコーヒーを、私は残っていたケーキと紅茶を空にして立ち上がる。
会計を棗さんに任せて、先に店外へと出る。
トップスの色が黒だったからあまりコーヒーの染みは目立たないが、ボトムスにはしっかりと染みがついているため、通行人にチラチラと見られる。
会計が済んで後から出てきた棗さんがそれを見て、再度申し訳なさそうな顔になる。
「もう気にしすぎですって」
「いやしかしな…」
「良いから、行きましょうよ」
「…おう」
これ以上この話題でいると、謝り倒しそうな棗さんを置いてくように足を動かすと、後ろから追うように革靴が床を叩く音が聞こえた。
今日行く予定だったお店に着くと、棗さんが眉間にシワを寄せた。
「俺の記憶だと…この店って、結構安くなかったか?」
「そうですね、貧乏に優しいし○むらですね」
「…俺が出すんだから、もう少し高いところでも良いんだが…」
「そんなわざわざ高いところで買わなくたって、ここには同じようなデザインが安く買えるんですよ!」
「そ、そうか…」
貧乏ナメんなよ!ぐらいの勢いで喋ると、棗さんは圧倒されていた。
高い店では諭吉一人で1〜2着くらいしか買えないけど、しま○らだと下手したら10着買えるかんな!
「さ、じゃあこき使いますからそのつもりで♪」
「!…はいはい、仰せのままに」
にっこりと笑いかけると棗さんは少し驚いたような顔をした後に、やれやれとでも言いたげな顔で笑った。
「いや〜…いっぱい買えたぁ〜」
「いや、買いすぎじゃないか?これ…」
「これでも抑えたんですけど」
「まじかよ…」
何せこっちには私の服は、絵麻ちゃんがくれた服を合わせても10着もなかった。
必然的に量が多くなるのも仕方のないことである。
服だけでなく、下着や靴下、バッグや靴も買ったので結局大きな袋2つ、小さい袋1つとなった。
服を選んでいる時、棗さんは傍らでカートを押していてくれたが、下着を選んでいる時は席を外してくれていた。
面白がって黒レースの下着を持ってこれどうですか?と聞くと、顔を赤らめて見せんな!とか言ってた。かわ。