出会いの季節
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「ふわぁ~……はふ…」
星空のカーテンの隙間から差し込む陽の光に目を細めながら、もそりと動き出す。
「……」
体を起こすと少しずつ思考回路がはっきりしてくる。
今日の予定を確認し、ラフでありつつもオシャレをする。
肩の出るゆるいスポーツTシャツに、ショートパンツ、ウィンドブレーカー、動きやすく好きなファッション。
昨日の夜に用意していたリュックを背負ったら、お気に入りのハイカットスニーカーを履いて自室を後にする。
いつも通りに廊下を歩いて、いつも通りのエレベーターで5階のリビングへ向かったのなら、そこにはいつも通りの風景。
「…おはよう、京にい」
「おはようございます、奈菜」
エプロン姿が板についているのが不思議なくらいの美形弁護士、朝比奈家次男の右京がキッチンで朝ごはんを作っていた。
「今日はどこかへ出かけるんですか?」
「うん、今日は友達と遊んでくるよ」
「あぁ…いつもの方たちですか?」
「そうそう」
いつもの方たち、というのは大学時代の友人を指す。
仕事をするようになってからも、交流が続いている数少ない友人である。
「手伝うよ、何すればいい?」
「ありがとうございます、では味噌汁をお願いできますか?」
「はーい」
リュックをソファに置いてから、キッチン近くの壁にかけてある黒のエプロンを身に着けて、右京の隣に立つ。
慣れたような手つきで、味噌汁を作り始める奈菜の顔を見て、右京が心配そうに顔を歪めた。
「もしかして…また徹夜ですか?」
「………3時間寝たよ☆」
「…はぁ…あまり変わらないでしょう…」
「しょうがないじゃんか~納期ギリギリに変更言いだすクライアントに文句言ってくれよ~」
「webデザイナーというのも大変ですねぇ」
奈菜はフリーのwebデザイナーをしていて、ほぼ自室が仕事部屋になる。そのため皆が寝静まる時間になっても、彼女の部屋だけ明かりが…なんてこともざらなのである。
「おはよ~京兄、なぁちゃん」
「おはようございます、要」
「おはよ~かなにい」
「う~ん、いい匂いだねぇ…今日はなぁちゃんが作ってくれたお味噌汁か、楽しみだねぇ」
「ほぉ…?という事は、要は味噌汁だけでいいんですね?」
「えっいや、京兄?そういう意味じゃないんだけど??」
「みたいだよ?京にい」
「ちょっなぁちゃんまでぇ…!?」
ラフな格好でリビングに入ってきたのは、三男の要である。
金髪にシルバーアクセを嫌みない程度に身につける一見ホストだが、一応僧侶をしている。
他愛もない軽口をたたきながら朝ごはんを作るこの時間が好きな奈菜は、自然と顔が緩んでいた。
「おはよう」
「…はよ」
「おっはよー☆」
「おはよう」
白が基調の有名私立の制服を着た、さながら王子のような顔立ちをしている祈織、ウィンドブレーカーを羽織った短髪のスポーツマンイケメン昴。
髪色などは違えど顔を見るとそっくりな双子イケメンの椿と梓が、リビングに来て各々挨拶をする。
「おはよ~」
「あれ…奈菜がいるってことは、仕事がひと段落したのかな」
「うん、何とかね~」
「お疲れ様」
「ありがと、梓」
ここ一週間ほど自室にこもりきりで仕事をしていた奈菜へ、労いの言葉をかけた梓に微笑む。
「じゃあさじゃあさ!今日俺と遊ぼうよ~!」
「残念、もう予約入ってまーす」
「えぇ~!何だよぉ~デートしようと思ったのにぃ~」
「また今度ね」
テンションの落差が激しい椿に笑いながら、朝ごはんを机に並べていく。
人数分のお味噌汁を乗せたカートを押そうとしたら、持ち手にかけた手の上に、もう一人の手が重なった。
「僕が運ぶよ」
「祈織、ありがとう」
「どういたしまして」
祈織の優しい提案を素直に受け入れ、カートを任せて他のおかず等を並べて、食卓を完成させる。
「おはよう」
「おはよぉ…」
寝ぼけまなこを擦りながら降りてくる雅臣と弥を見て、奈菜は嬉しそうな顔をした。
「あれ…なぁちゃん…??なぁちゃんだぁ!!」
「おわっ!?」
「なぁちゃんおはよぉ~!!」
「ははっ!相変わらず元気だなぁ…おはよ、弥」
「おはよう奈菜、仕事落ち着いたんだね」
「うん、おはようまさにい」
抱きついてきた弥を抱きしめて頭を撫でてやりながら、雅臣とも挨拶を交わしていると、エプロンを外した右京が声をかけた。
「ほら弥ご飯ですから、早く席に着きなさい」
「はぁ~い!なぁちゃんは今日僕の横ね!」
「はいはい」
『いただきます』
今日は14人兄弟のうち、雅臣、右京、要、奈菜、椿、梓、昴、祈織、弥の9人での朝ごはん。
他の兄弟は一人暮らしでいなかったり、仕事で疲れてて寝てたり、寝坊の真っ最中だったり…。
この忙しなくも楽しい生活が、いつもの日常。
心地のいい時間
星空のカーテンの隙間から差し込む陽の光に目を細めながら、もそりと動き出す。
「……」
体を起こすと少しずつ思考回路がはっきりしてくる。
今日の予定を確認し、ラフでありつつもオシャレをする。
肩の出るゆるいスポーツTシャツに、ショートパンツ、ウィンドブレーカー、動きやすく好きなファッション。
昨日の夜に用意していたリュックを背負ったら、お気に入りのハイカットスニーカーを履いて自室を後にする。
いつも通りに廊下を歩いて、いつも通りのエレベーターで5階のリビングへ向かったのなら、そこにはいつも通りの風景。
「…おはよう、京にい」
「おはようございます、奈菜」
エプロン姿が板についているのが不思議なくらいの美形弁護士、朝比奈家次男の右京がキッチンで朝ごはんを作っていた。
「今日はどこかへ出かけるんですか?」
「うん、今日は友達と遊んでくるよ」
「あぁ…いつもの方たちですか?」
「そうそう」
いつもの方たち、というのは大学時代の友人を指す。
仕事をするようになってからも、交流が続いている数少ない友人である。
「手伝うよ、何すればいい?」
「ありがとうございます、では味噌汁をお願いできますか?」
「はーい」
リュックをソファに置いてから、キッチン近くの壁にかけてある黒のエプロンを身に着けて、右京の隣に立つ。
慣れたような手つきで、味噌汁を作り始める奈菜の顔を見て、右京が心配そうに顔を歪めた。
「もしかして…また徹夜ですか?」
「………3時間寝たよ☆」
「…はぁ…あまり変わらないでしょう…」
「しょうがないじゃんか~納期ギリギリに変更言いだすクライアントに文句言ってくれよ~」
「webデザイナーというのも大変ですねぇ」
奈菜はフリーのwebデザイナーをしていて、ほぼ自室が仕事部屋になる。そのため皆が寝静まる時間になっても、彼女の部屋だけ明かりが…なんてこともざらなのである。
「おはよ~京兄、なぁちゃん」
「おはようございます、要」
「おはよ~かなにい」
「う~ん、いい匂いだねぇ…今日はなぁちゃんが作ってくれたお味噌汁か、楽しみだねぇ」
「ほぉ…?という事は、要は味噌汁だけでいいんですね?」
「えっいや、京兄?そういう意味じゃないんだけど??」
「みたいだよ?京にい」
「ちょっなぁちゃんまでぇ…!?」
ラフな格好でリビングに入ってきたのは、三男の要である。
金髪にシルバーアクセを嫌みない程度に身につける一見ホストだが、一応僧侶をしている。
他愛もない軽口をたたきながら朝ごはんを作るこの時間が好きな奈菜は、自然と顔が緩んでいた。
「おはよう」
「…はよ」
「おっはよー☆」
「おはよう」
白が基調の有名私立の制服を着た、さながら王子のような顔立ちをしている祈織、ウィンドブレーカーを羽織った短髪のスポーツマンイケメン昴。
髪色などは違えど顔を見るとそっくりな双子イケメンの椿と梓が、リビングに来て各々挨拶をする。
「おはよ~」
「あれ…奈菜がいるってことは、仕事がひと段落したのかな」
「うん、何とかね~」
「お疲れ様」
「ありがと、梓」
ここ一週間ほど自室にこもりきりで仕事をしていた奈菜へ、労いの言葉をかけた梓に微笑む。
「じゃあさじゃあさ!今日俺と遊ぼうよ~!」
「残念、もう予約入ってまーす」
「えぇ~!何だよぉ~デートしようと思ったのにぃ~」
「また今度ね」
テンションの落差が激しい椿に笑いながら、朝ごはんを机に並べていく。
人数分のお味噌汁を乗せたカートを押そうとしたら、持ち手にかけた手の上に、もう一人の手が重なった。
「僕が運ぶよ」
「祈織、ありがとう」
「どういたしまして」
祈織の優しい提案を素直に受け入れ、カートを任せて他のおかず等を並べて、食卓を完成させる。
「おはよう」
「おはよぉ…」
寝ぼけまなこを擦りながら降りてくる雅臣と弥を見て、奈菜は嬉しそうな顔をした。
「あれ…なぁちゃん…??なぁちゃんだぁ!!」
「おわっ!?」
「なぁちゃんおはよぉ~!!」
「ははっ!相変わらず元気だなぁ…おはよ、弥」
「おはよう奈菜、仕事落ち着いたんだね」
「うん、おはようまさにい」
抱きついてきた弥を抱きしめて頭を撫でてやりながら、雅臣とも挨拶を交わしていると、エプロンを外した右京が声をかけた。
「ほら弥ご飯ですから、早く席に着きなさい」
「はぁ~い!なぁちゃんは今日僕の横ね!」
「はいはい」
『いただきます』
今日は14人兄弟のうち、雅臣、右京、要、奈菜、椿、梓、昴、祈織、弥の9人での朝ごはん。
他の兄弟は一人暮らしでいなかったり、仕事で疲れてて寝てたり、寝坊の真っ最中だったり…。
この忙しなくも楽しい生活が、いつもの日常。
心地のいい時間