スパンダム:愛
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しばらくして漸く感情が収まった名無しさんが静かに口を開く。
「私、好きな人がいるんです。」
予想外だった。まさか自分の片思い相手に好きな人がいるとは。
「お、おぉ…」
誰だ…。CP9の誰かか?それとも俺か?…違うか、違うな。
「でも、その人にも好きな人がいるんです。」
めんどくせぇなおい、関係がめんどくせぇよ。
「この前告白して振られちゃったみたいで、私それ知らなくて。」
照れたように、そして悲しそうに笑う名無しさんになんと言葉をかけてやればいいのかわからず、黙って話を聞いていた。
「自分の気持ちを、伝えちゃったんです。失恋の傷が癒えていないのに。」
「何か都合の悪いことでもあったのか?」
恋愛というものはよく分からない。傷が癒えていない相手に自分の気持ちを伝えちゃなにか都合の悪いことでもあるのか?
逆にその傷は癒えるんじゃないのか?
「都合が悪いというか、相手にとって私はダメな女だったようです。」
「…ダメな女?」
「お前より、あの子の方がいいんだって怒られちゃいました。」
なんてひでぇやつだ。振られたのに諦められなかったってことか?
何も知らねぇ名無しさんにそんなこと言う奴がいるとは、上司として許せねぇ。
そう思うといてもたってもいられない。
さっさと犯人を聞き出して説教でも、と下ろしていた腰を上げる。
「おい、名無しさん。」
「はい?」
「そいつは誰だ。」
「…え?」
「お前に、そんなひでぇこと言った奴。CP9か?誰だ、ルッチか?カクか?」
ジャブラか?
最後にそう付け足すと、ピクっと反応する名無しさんの体。
なんて分かり易い。犯人はジャブラだ。
その時指令室の外から、
「チャパー、ジャブラが給仕のギャサリンに振られたぁ~、チャパパ~」
「おい、てめぇ!言いふらすな!おい!」
というフクロウとジャブラの声と、バタバタと足音が聞こえた。
「よし、行くぞ。ジャブラんと…こ…」
指令室の扉から名無しさんに視線を移すと、また涙を流す名無しさんの姿が目に入る。
「ごめん…なさ…い…、スパンダムさん…」
そこで気づいた。ジャブラに怒りたいのは俺だけだ。
名無しさんにとって今は、ジャブラのところへ行っている場合ではないし、傷つけられた相手の元へなど行きたくないだろう。
じゃあ今自分は名無しさんに何をしてやれるか。
それは当然名無しさんを慰めてやることだ。
勇気を振り絞って、名無しさんをギュッと抱きしめる。
「泣くな!俺がそばにいんだろ!」
そういうと、彼女は安心したのか涙を浮かべなからも笑った。
暫くした後、スパンダムの腕の中で眠ってしまった彼女の額に、唇を落とした。
「私、好きな人がいるんです。」
予想外だった。まさか自分の片思い相手に好きな人がいるとは。
「お、おぉ…」
誰だ…。CP9の誰かか?それとも俺か?…違うか、違うな。
「でも、その人にも好きな人がいるんです。」
めんどくせぇなおい、関係がめんどくせぇよ。
「この前告白して振られちゃったみたいで、私それ知らなくて。」
照れたように、そして悲しそうに笑う名無しさんになんと言葉をかけてやればいいのかわからず、黙って話を聞いていた。
「自分の気持ちを、伝えちゃったんです。失恋の傷が癒えていないのに。」
「何か都合の悪いことでもあったのか?」
恋愛というものはよく分からない。傷が癒えていない相手に自分の気持ちを伝えちゃなにか都合の悪いことでもあるのか?
逆にその傷は癒えるんじゃないのか?
「都合が悪いというか、相手にとって私はダメな女だったようです。」
「…ダメな女?」
「お前より、あの子の方がいいんだって怒られちゃいました。」
なんてひでぇやつだ。振られたのに諦められなかったってことか?
何も知らねぇ名無しさんにそんなこと言う奴がいるとは、上司として許せねぇ。
そう思うといてもたってもいられない。
さっさと犯人を聞き出して説教でも、と下ろしていた腰を上げる。
「おい、名無しさん。」
「はい?」
「そいつは誰だ。」
「…え?」
「お前に、そんなひでぇこと言った奴。CP9か?誰だ、ルッチか?カクか?」
ジャブラか?
最後にそう付け足すと、ピクっと反応する名無しさんの体。
なんて分かり易い。犯人はジャブラだ。
その時指令室の外から、
「チャパー、ジャブラが給仕のギャサリンに振られたぁ~、チャパパ~」
「おい、てめぇ!言いふらすな!おい!」
というフクロウとジャブラの声と、バタバタと足音が聞こえた。
「よし、行くぞ。ジャブラんと…こ…」
指令室の扉から名無しさんに視線を移すと、また涙を流す名無しさんの姿が目に入る。
「ごめん…なさ…い…、スパンダムさん…」
そこで気づいた。ジャブラに怒りたいのは俺だけだ。
名無しさんにとって今は、ジャブラのところへ行っている場合ではないし、傷つけられた相手の元へなど行きたくないだろう。
じゃあ今自分は名無しさんに何をしてやれるか。
それは当然名無しさんを慰めてやることだ。
勇気を振り絞って、名無しさんをギュッと抱きしめる。
「泣くな!俺がそばにいんだろ!」
そういうと、彼女は安心したのか涙を浮かべなからも笑った。
暫くした後、スパンダムの腕の中で眠ってしまった彼女の額に、唇を落とした。